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●スティングレイの振動系 | ●スティングレイの電気系 |
●ミュージックマン・スティングレイ・ベース
レオ・フェンダーの設計したベースで、外観はフェンダー社のベースの
デザインをうけついだものになっている。
メイプル製ダブル・カッタウェイボディと、
ディタッチャブル・タイプのメイプル・ワンピース・ネックを持つ。
チューニング・マシンは片側に3個、1弦のみ反対側についており、
チューニング時、全ペグに手がとどきやすくしている。
フレットはフェンダーより1フレット多い21フレット、
弦長はフェンダーと同じ34インチで、ネックとボディ接合部には
ネック取り付け角度調整機構が設けられている。
ブリッジは折り曲げられた鉄板上に丸棒タイプの
上下前後アジャスト可能な駒と、
弦毎に調整可能なミュート機構がのり、
2本のアレン・タイプ・ビスでボディに
うめ込まれたナットに固定されている。
弦はボディ裏から通すタイプであるが。
ボディ裏や左方のカットは施されていないが、
これはベース奏法の変化により必要性がうすれたためであろう。 ピックアップはポールピースがマグネットを 兼ねている大型のハンバッキング・タイプで、 3点ネジ止めでボリューム、トレブル、バス・コントロールで アクティブ・タイプ、ボディ裏にバッテリー(006P)が1個入る。 |
○スティングレイの振動系 |
![]() ボディは単に鉄板を折り曲げただけのブリッジが アレンスクリュー2本で固定されている。 これにより、サスティンは木ネジによる固定法よりも長くとれる。 また弦はボディ・エンドから通す方法をとっているため、 質量のあるボディと相まって、しっかりとした振動系を構成している。 |
○スティングレイの電気系 |
![]() このベースの最大の特徴は、ピックアップとそのコントロール系にある。 ピックアップは左の図←はのように、 ハンバッキング・タイプであるが磁気回路は下方もオープンになっている。 ピックアップ取り付け位置は プレシジョンベース・ベースよりもブリッジ側にあり、 高調波成分をよりピックアップしやすい位置にある。 なお2、3弦のポールピース・タイプ・マグネットの高くなっているのは、 フィンガー・ボード、ブリッジの半径に合わせているからで、 弦間の出力バランスをとっている。 このピックアップ単体は、インダクタンスは743mH、 直流抵抗は1.25kΩ、ピークは15.3kHzにありQは約2.8位である。 しかし、下の図↓の回路図のように0.002μFのコンデンサーが パラレルに入っているため、実際にはピークは4kHz付近にある。 ピックアップの出力は、はじめにトレブル・コントロールに入り 高域をブースト又はカットされる。 |
![]() |
![]() 次にOPアンプで増幅がされているが、 このNF回路にベース・コントロールが入っていて、 低音量をブーストのみできるようになっている。 出力は25kΩAカーブのボリューム・コントロールで音量調整され、 アウトプットからアンプに接続される。 トーン・コントロールの特性は、右の図→のようになり、 中心周波数はギターに比べ当然ながら、330Hzと低域によっている。 OPアンプはユニオン・カーバイト社UC4250Cと呼ばれるICで、 消費電流は50μAと極端に低消費型のため、 電源スイッチはついていない。 また、OPアンプの高域ノイズを減らすためNF回路に、 100Ωkと250pFのコンデンサーが入っている。 以上のように、スティングレイ・バースはピックアップの 取り付け位置と4kHz付近のピーク、330Hz付近を中心としたバス、 トレブル・コントロールにより多彩な音創りが可能になっている。 |
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