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●アコースティック・ギター弦の話 今回はアコースティック・ギターの弦のお話しです。WEB SHOPホームページに弦 コーナーが復活したこともあって、最近お問い合わせを良く受けます。皆さんが疑問 に持たれていることを中心に、簡単ではありますが説明していきましょう。弦選びのヒ ントにしていただければ幸いです。 ◇ゲージ 弦の種類には太さを表わすゲージがありますが、アコースティック・ギターの場合、 巻き弦の芯線がスティールの弦では、細い順からエキストラ・ライト、ライト、ミディア ム、ヘビーのセットが一般的です。しかしながら、例えば同じライト・ゲージと言って も、弦それぞれの太さはメーカーによって多少異なる場合があります。細いゲージの 方が弾き心地、音色ともに柔らかくなり、太くなるに張りが強く、ボリュームを伴った 音色になります。本来ミディアム・ゲージがその名の通り中庸な太さということでした が、アンプリファイズのシステムが確立された今、多少生音のボリュームが犠牲にな っても演奏性の良さから、昨今ではどちらかと言うとライト・ゲージが標準的な弦とな っています。ヘビー・ゲージは一部のブルーグラス・プレイヤーに好まれていますが、 ネックにかかる負担が大きく、使用には注意が必要です。上記の通り、ゲージによっ て張りの強さは異なるわけですが、元々張ってある弦と極端に異なる太さのゲージ の弦に張り替えた場合、ネックが反ったり、逆反ったり、またナットの溝の太さが合わ ず、チューニングや演奏に支障が出る場合もございます。そんな場合は専門家に相 談し、適切な調整をしてもらう必要があります。 なおシルクを芯線にしたコンパウンド・ワウンドという弦もあります。大変ソフトな弾き 心地で柔らかい音が特徴です。基本的にフィンガー・ピッキング専用とお考えくださ い。 ◇ブロンズ弦 アコースティック・ギターの弦は一般的に3弦から6弦までが巻き弦(ワウンド弦)で す。簡単に言うと、この巻き弦が黄色っぽいものがブロンズ弦です。ブロンズとは銅 像などでもお馴染みだと思いますが、青銅=銅とスズの合金です。80/20などのよう にその割合を商品名に表わしているものもあります。どちらかというと落ち着いたサ ウンドです。高域がうるさくならないので、渋目のトーンを好む方や、丸みのある音、 中音、低音を重視される方にお勧めです。またほとんどの場合、後述のフォスファ ー・ブロンズ弦と比較すると安価です。アコースティック・ギターの普及品のほとんど にブロンズ弦が使用されています。誰もが使ったことのある弦でしょう。もちろん上級 者を含め、幅広いファンに支持されている弦と言えましょう。 ◇フォスファー・ブロンズ弦 巻き弦の色が褐色っぽいのがフォスファー・ブロンズ弦です。フォスファー・ブロンズ はブロンズにリンを加えたものです。倍音が多く、サスティンがあり、高域特性に優れ たきらびやかな音が特徴です。ブライトなトーンを好まれる方にお勧めです。アンサ ンブルの中でも埋もれづらいですが、パワフルなコード・ストロークを好まれる方には ジャリジャリとした感じ(特に弦張り替え直後)が耳につくかもしれません。高級ギター の新品時に使用されている場合が多い弦です。なお一般的に、持ちはブロンズ弦よ りフォスファー・ブロンズ弦の方が長くなります。 ◇コーテッド弦 弦を薄い皮膜で覆い、汗や汚れから守り寿命を長く持たせる弦です。エリクサー、ダ ダリオEXPシリーズ、マーチンSP+などがそれで、最近注目の弦です。巻き弦がブ ロンズ弦ベースのものとフォスファー・ブロンズ弦ベースのものがあり、音色はそれぞ れの特徴に準じます。お値段は張りますが、その分寿命が長く、張り替えの手間も 軽減できます。ただしサビ、汚れに対しては強いですが、弦そのもの伸びなど音色の 経年変化はそれ以外の原因からも起こります。新品時の音が、いつまでも全く衰え ないというわけではございませんので、お間違えないように。 |