ヤマハYTR-8310Zが美品で中古入荷!こだわりの仕様をご紹介

ヤマハYTR-8310Zが美品で中古入荷!こだわりの仕様をご紹介

2017-03-11 曲のジャンルというものは多々ありますし、楽器も様々です。
ジャズ用楽器、クラシック用楽器…なんてものはそもそも存在しませんし、その音楽ジャンルに楽器を固定するべきではありません。しかしながらそのジャンルの特性に「合う音」や奏法に見合う、なんちゃら向け楽器、というのは確かに存在します。


本日ご紹介しますのは、ヤマハ管楽器の製造するトランペットのラインナップ中、いわゆるジャズ向けモデルのトランペット、YTR-8310Z。とってもきれいな1本が中古で入荷です。






YTR-8310Zはジャズトランペッターの名手、Bobby Shew(ボビー・シュー)氏が監修。
’64年以降より本格的にトランペットプレーヤーとして活動を始め、現在に至るまでベニー・グッドマンやトシコ・タバキン、バディ・リッチなどなど、数多くのビッグバンドで活躍したボビー・シュー氏。現在でこそハイノートを得意とするトランペットプレイヤーのイメージが強いですが、もともとはボビー・シュー氏はリードトランペッターとして美しいメインメロディーを奏でるのが得意な、非常に唄心溢れる奏者。転機はバディ・リッチのビッグバンドでリードトランペットになったことだそうで、間違うとスティックが飛んでくるという鬼厳しいバディ・リッチの要求に応えるために、「努力してハイノートを出せるようにした」らしいです。

そんなボビー・シュー氏がヤマハの楽器を初めて監修したトランペットが、YTR-6310Z。今当店に6310Zはないので画像で比較することができず大変残念なのですが、8310Zは6310Zを元にして、更にカスタマイズを施した上位モデル、でございます。

YTR-6310Zは、Mボア、更に抜差し管の支柱をなくすことによってレスポンスが良く軽めの吹奏感に、






そして細いベルフレアにベル径がやや大きめのベルの採用(ベル先端に向かってのテーバーが、最初細く最後ぐわっと大きく開く)により、明るくはっきりとしたサウンドに。この絶妙な設計バランスがもたらす抜け感が特徴、まさにジャズのビッグバンドにぴったり!なモデルです。 (写真はYTR-4335と比較したものです。左:8310Z)






そして8310Zは、この6310Zを元に更にカスタマイズ。6310Zにはない工法をいくつか取り入れております。
ひとつは、ベル縁のくるんってなっているところを通常ならば真円の縁輪を入れてカーリングするのが通常の工法なのですが、8310Zは 真円ではなくかまぼこ型の縁輪を入れてカーリングする「フレンチビード」という高度な工法を採用してます。(左:8310Z)






普通のベル淵よりもくるんってなっているところが厚めなのがお分かり頂けるでしょうか。
このフレンチビードには以下のようなメリットがあります。

・奏者へのフィードバックの増大
・発音が良くなり、聴衆にも音がはっきり伝わる
・レスポンスの向上

…というように、音が自分にも相手にも良く聴こえるようになります。ライブハウスで演奏するときにモニターが大事なのと同様、自分の音がはっきり聴こえることは演奏するうえでのテンションや表現力を左右します。例えばピアニッシモで優しく小さな音で吹いても、自分が吹いているサウンドがくっきりしているとより繊細な表現が可能なります。そして良く聴こえることにより、レスポンスも良く感じる…という、素晴らしいサイクルが。
すごいぜフレンチビード。


そしてもう一つ、サイドシームという工法を採用。
通常はベルのつなぎ目は下側にくるのですが、そのつなぎ目を横側(バルブケーシング側)にします。マウスパイプやバルブケーシングと繋がる支柱や延べ座で振動を止めてしまう側につなぎ目が来るようにすることにより、通常の工法よりも振動が効率良くベルまで届くので、振動が開放的になる、という効果が。


このフレンチビード+サイドシーム工法は、かのBach社もマウントバーノン時代まで採用していたり、ヴィンテージ楽器に見られる仕様なんです。現代のヤマハの技術力が、古き良き時代の職人の技術力を高いレベルでの再現を可能にしたのかと思うと、感慨深いものがあります。



YTR-8310Zは、もちろんYTR-6310Zがベースとなっている為、先述の6310Zの特徴であるMボアだったりテーパーだったりベルの大きさなんかはそのまま引き継いでいる為基本的な音色の傾向は同じ方向性ではありますが、8310Zは上記のようなこだわりの工法を採用することにより、派手に鳴らしたり、ピアニッシモでの繊細な表現力だったり、表現力にぐっと奥行が生まれております。基本的には明るいキャラクターですので、ビッグバンドはもちろん、ソウルやファンクにも合いそうですし、ブルースやロックなど、様々なジャンルで使えそうです。


そしてトランペット本体もさることながら音作りで重要なのがマウスピース。ハイトーンが出したくてもなかなか…なんて思っているみなさん。華やかに高音域を演奏するために設計されたマウスピース、ボビー・シューモデルが付属できちんと付いてきます!もちろん努力が一番大事ですが…


さてさて長くなってしまいましたが、モデルの良さだけでなく、中古としても非常に状態が良くておすすめの1本です!試奏ご希望の方は立川店まで!

商品ページはこちら


…お、それとですね、当店には現在ボビー・シュー氏と同様ハイトーンのイメージの強いエリック・ミヤシロ氏監修によるモデル、YTR-8340EM、こちらの新品の展示がございます!吹き比べができちゃいますよ!気になる方はお気軽にお問い合わせ下さいませ♪





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