ザ・肉厚シェル?バウムクーヘンの美学?

肉厚プライシェルの魅力に迫る!

2015-03-28 こんにちは2階スネア売り場の松岡です。

今回のネタはズバリ
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肉厚シェル

近頃はあまり主流でなくなってしまった「肉厚」プライシェル。
そんな「肉厚胴」の1ファンとして、今回のネタとさせていただきます。

そもそも、
肉厚はいつから生まれたの??とお思いの方も多いでしょう。

ズバリこの時期

ドイツのSONORさんの「シグネチャー」

大体今から30年くらい前でしょうか?
世の中の音楽もバブリーバブリー
ぎらぎらの大音量に入り乱れた電子音。

今までのスネアでは「音圧」が足りなかったんでしょう、
エレクトリック中心のなかで
「確実に芯の残る音」が求められていました。
そんな中大活躍したのが
ソナーシグネチャーシリーズ
肉厚の深胴に独自のパラレルアクション、
ローピッチにしてもスナッピーは安定し、音量も落ちない。
まさに加工系のサウンドには最適なスペックでした。

その後ドラム界は肉厚ブームに
パールの「Z」シリーズを筆頭に次々と肉厚タイプを発表。
さりげなくLUDWIGもこの時期こっそり厚くなっていたりしてます。

そもそも肉厚胴のメリットって?


まず、
・胴があまり振動しないので音が縦にヌケる
マイクで録って加工するには最適です。

・音量・遠鳴りが期待できる
近場で聞くより遠くの方でイイ音がしてたりします。

・ローピッチでも安定する。
特に80年代のローチューニングには欠かせないサウンドでした。

などなどありますが、

逆に
・サウンドがワンパターンになりがち
・ダイナミクスレンジは狭い(繊細さはあまり無い)
・重い(=鳴らし難い)

等のデメリットもあります。

これらのいわゆる「ナチュラルじゃない感じ」は
90年代に入り「ナチュラルなサウンド」を求められるようになってからは、
次第に人気も需要も無くなり、
シリーズ消滅の憂き目に遭うなど、各社から肉厚胴が消えてゆきます。

その後暫く真逆の「肉薄」胴が流行して行きました。
ドラムにも流行すたりがあるんです(笑)

しかしながら肉厚ファンは根強かった!
その後「オレンジカウンティ」が20ply-30plyの
「超肉厚穴あき胴」をラウドロック界で2000年頃に流行させ、
それに影響されたパールも
「リファレンス」シリーズで20plyのスネアを発表
とにかく
「音がデカイ」特性を生かした方向性に変わり
まるでバウムクーヘンのような
かなり極端なスペックのスネアが生み出されました。


2015年の今、主流ではないながらも
やはり根強いファンは多く、
「男気溢れるガッツのあるスネア」として
その魅力は衰えておりません!

私もそんな一人
そんな私の好きな1台がなんと中古で入荷
PEARL BZ-1450
完全に限定品でスポット生産されただけではありましたが、
店頭で試奏してるとき
「これいいなあ?」と幾度も思っていたスネア。

久々に叩きましたが、
実にイイ!

バーチシェルの10plyはメイプルと違い少しマイルドになるのか
いやみなハイの倍音も少なく、ローエンドが豊か。
特にハイピッチにしたとき、しぶとく芯が残ってくれる感じがGOOD!!

5インチ設定も鈍い印象を与えないような絶妙なサイズ設定。
適度にタイトで、程よいサステイン。

16分を多用するロックドラマーにオススメです!

このように、肉厚シェルも
「スペック」により様々な特性を持ちます。
特に肉厚の方が、その使用している木の特性が顕著に出る気がします。

皆さんも是非この機会に「肉厚」スネアはいかが??