いま一度、弦の選び方について ?アーニーボール編?

09-42、10-46などのゲージの原点はアーニーさんです。

2017-10-02 夜はだいぶ肌寒くなって参りました。
夜のドライブが楽しい季節です。
イシバシ楽器 神戸三宮店 重信でございます。

前回は弦の交換タイミング、そしてダダリオについて書きました。

今回は、店頭でよく聞かれる「一体どれを買えばいいの?」という質問への回答と、アーニーボール弦について書いております。


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ゲージ(太さ)の選び方については、あまりルールはありません
気に入ればそれが正解、ジャケ買い(死語)でも全く問題ありません。
ただ、使い心地が良くなければ、ギターの性能、プレイヤーのテクニックも思うように引き出せません。



下記はあくまで一般論。


ST、TLなどのロングスケールには 09-42
LP、SGなどのミディアムスケールには 10-46
MGやJG、その他のショートスケールには 11-49



という目安がございます。




一般的なエレキ弦にはニッケルが使用されています。
これは、ピックアップに反応しやすい強磁性の素材であることから。

ニッケルではなく別の素材を用いた弦は、別のシリーズとしてラインナップされていることが普通です。

しかし、普通のニッケル弦かつ、パッケージデザインも同じシリーズなのに値段が少し高いものがあります。

単刀直入に申しますと、それは弦が太いからです。
メーカーがどういう基準で値段を決めているのかまでは分かりませんが、
太いからちょっと値段高いんだな、と思って頂ければOKです。


例えば、3弦が巻き弦になっているセット。
このセットは、少し値段が高めなのですが、弦の質自体は1?6弦まで全て普通のニッケル弦でございます。

普通のセットと質自体は変わりません。
やや乱暴な言い方ですが、太いから高いのです

※「フラットワウンド」という、普通のエレキ弦ではないやつがあるのですが、ここでは忘れてください。
今は「普通の弦」について説明しております。




かなり太めのゲージが存在しますが、それらはダウンチューニングをされる方にオススメ。
(ただし、ST系やLP系で半音下げする場合、10-46や10-52で丁度良いぐらいになったりします)
レギュラー時よりもテンションが低下するため、太い弦の方がギターの構造上、好ましい結果になるのです。


ちなみにですが、弦が太ければ音が太くなるかどうかについては、やや疑問符が。
確かに音色は多少変わります。
しかし、レギュラーチューニングで12-56を張ったとしても、
分厚い音になるかは「んん……どうでしょうね?」と言ってしまいます。

たぶん相当弾きにくいし、ギターにも何らか影響が出そうなので、弦で中低音を盛るという発想よりも、アンプの設定を極めた方が全てが良い方向に転がりそうです。


実際、細いゲージで分厚いトーンを奏でる方もおられます。
3弦が巻き弦とかならば、変わってくると思いますが、それも「多少変わる」程度でイメージしてください。


プレイヤー本人の感覚に委ねる部分が多いので、

「トライ・アンド・エラー」

という結論となります。
色々試して、自分の「フェチ」を把握すると言いましょうか。

同じ10-46でもメーカーごとにテンション感が違ったりするので、「トライ・アンド・エラー」を重ねることが大切です!




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前置きが非常に長くなりました。

今回は当店でも非常に人気のあるアーニーボールをご紹介。
アーニーボールと言えば「Slinky / スリンキー」!
↑ 鳥が書いてあるやつ! ↑


パッケージのデザインが秀逸で、他のメーカーに比べて取っつきやすい感じがしませんか?私だけでしょうか。

ギター弦のパッケージって、なんだかおカタいものが多い気がします。

スリンキーの特徴は、
「張りたての時に聴けるギラついたサウンド」

と言われています。
(張りたての弦は大体ギラつくけど 小声)


私は、
「GHS Boomers がこの世に存在していなければ、スリンキーを使用していただろう」
という名言のような感想を持っております。



……こういうこと書かん方がええんかな笑


スリンキーは張りたての時、ホントに元気のある音だと思います。
めちゃくちゃ良い弦だと思います。
裏面には世界の使用アーティストが書かれています。
あの人が使用しているなら良いに決まってるじゃん、と思うのは私がミーハーだからでしょう。

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長所

・特に3弦。小分けの紙袋からハジケて出てくるあたりで、そのハツラツとしたサウンドを窺い知ることが出来る。
・張りたてはジャキっとしているが、本質的には中音豊かなバランスの良いサウンドかと。
・全国の楽器店で取り扱っている。


短所

・気のせいかもしれない。プレーン弦よ、錆びるのがちょっと早くないかい?
・ホントにたまたまかもしれない。1弦がたまに吹っ飛ぶ。




気のせいなのかもしれませんが、寿命は他と比べると……かも。
巻き弦はそんなに錆びないんですけどね、プレーン弦の変色が早い気が。

テンション感、手触りともに中庸。
音自体もバランスの良いサウンドです。



当店でも非常に人気で、まさに老若男女問わずって感じです。


セットごとに色分けされており、一目で分かるのも良いですよね。

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09-42や10-46というゲージが当たり前になっていますが、その流れを作ったのはアーニー氏であると言われています。
太い弦、弾きにくくね?という当時のプレイヤーたちの声に耳を傾け、様々なメーカーに笑われながらもそれを貫き実行 。
現在に至ります。






そして、今年2017年に新しいシリーズが発売されました。

PARADIGM Slinky / パラダイム・スリンキー


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切れにくくて、ノンコーティング弦の手触り、音質に限りなく近いコーティング弦です。
値段は少々張りますが、かなり長持ちするので毎日は弾かないという方でしたら逆にお財布にはエコかもしれません。

張り替えの手間も大幅に減りますし、切れにくいですし。
アームを使いまくる方には非常にオススメです。



また、弦についての記事を書こうと思っております。
せっかくですから、弦はこだわって選ぼうじゃあないですか。

それでは失礼致します。
ありがとうございました。