意外と知らないマウスピース?

意外と知らないマウスピース?【女子】

2016-11-26 冬本番の気候となってまいりました。
寒いのがとっっっっっても苦手な渋谷WEST高柳でございます。
この寒さによって、つめたーくなってしまうのが
“マウスピース”なんですよね。
マウスピースがというよりも楽器全体が冷たかったのですが。。。
この季節は一段と楽器に触るのが辛いんですよね。

そんな冬はつめたーいマウスピースについて紐解いていこうと思います。
今回は、“Bach”に焦点を当ててみたいと思います。

Bachのマウスピースといえば、トランペット吹きなら1度は吹いたことがある。
もしくは愛用している方が多いのではないのでしょうか?
(そんな私もBachのマウスピース愛用者だったりします)

全てのマウスピースの基準になっていると言っても過言ではなく、
スタンダードな位置付けのメーカーとなっております。
その証拠にマウスピースメーカーの他社比較によるサイズ感の表現は決まって
『バック○番相当のリム』『バック○カップ相当の深さ』
というバック基準の比較を行っております。
このように書くと、一見特徴が無いように感じますが、
そのラインナップは非常に個性的となっており、掴みどころが無いほどです。


【マウスピースのモデルについて】
そんなマウスピースについている数字やローマ字って
どういった意味があるかご存知ですか?

数字はリムサイズを表しており、『1?20』で表されています。
『1番』が最も大きなリムを持ち、『20番』が最も小さいリムを持ちます。
 
ローマ字はカップの深さを表しており、『A?F』で表されています。
『A』が最も深く、次いでアルファベットのないもの、『B』となります。
『F』が最も浅いカップを持ちます。
(現行モデルでの表記となっております。場所は画像をご覧下さい)
20900 B

その他にも『V』『W』と1番最後についているものもあります。
『V』とついているものは、Vの形をしたカップとなっております。
トランペットのマウスピースは、大きくUカップとVカップに分けられます。
Uカップは明るく明確な音色を持ちますが、抵抗感が若干強くなります。
Vカップは暗い音色を持ちますが、抵抗感が若干少なくなります。   
トランペットのマウスピースでは、Uカップのものが主流となっております。

『W』とついているものは、リムの幅が広いクッションリムとなっており、
柔らかくて厚い唇に向いています。

以上を踏まえたうえで、各部分でどういった特徴が出るのか
簡単に紹介していきたいと思います!!                                                                                                
【リム】
リムのサイズや形状によって、吹きやすさや安定性、
コントロールのしやすさ等が変わってきます。
幅が広ければ、疲れにくいですが、コントロールしにくくなります。
狭ければ、コントロールしやすく、柔軟性が増します。
口に当たる部分が丸ければ、発音しやすく、変化がつけやすいです。
平らのものであれば、アタック(音の始まりの部分)が明確になり、
明るく金属的な音色となります。
唇に当たる部分になるので、フィット感で選んでいただくのが大事になってくると思います。                                               
【カップ】
カップの深さは音色等が変わってきます。
カップの浅いものは、明るい音色になり高音が出しやすくなります。
深いものは、柔らかく暗い音色になります。
標準的な深さはCと記載のあるものになるのでは無いでしょうか。
(C=Mediumと表されることが多いです。)
こちらに関しましては、出したい音色で選んでいただくのが良いのではないでしょうか。

【リム内径】
リム内径によって音量等が変わってきます。
内径の大きいものは、大きい音を出し、音が割れる可能性を少なくします。
小さいものは、少しの力で済む一方、音を制約し、
アンブシュアの発達を制約します。
一般にシンフォニーオーケストラのプレイヤーは大きいサイズを好み、
吹奏楽は中くらい、ジャズのビッグバンド奏者は
小さいサイズを使用する傾向があります。
こちらは、リムのサイズと比例しています。

【バックボア】
バックボアは、小さいと高音が響きにくくなり、大きいと抵抗が減ります。
基本的には選ぶことができず、各モデルごとに適切な形状となっております。

【スロート】
スロートは、小さいと高音が出しやすい反面、
低音が痩せてつまり気味の吹奏感になります。
大きいと音量は増しますが息を多く使い、疲れやすくなります。
また、高音が痩せる傾向にあります。
こちらもバックボアと同じく、各モデルに合わせた形状となっております。

※バックボアやスロート等を変更する
スペシャルオーダーマウスピースなるものも存在しております。

【まとめ】
ちなみに初心者の方には、3Cまたは5Cというモデルをオススメしております。
“Bachのマウスピースの主流って7Cじゃないの?”
と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一般的にBachのトランペットを買ったときの付属が
7Cと言うモデルのマウスピースとなっている為、
Bachのマウスピースの主流として認識されているのではないでしょうか。
しかしこのモデル、どのような方に合っているマウスピースなのかと言いますと、
Bachの製造国となっているアメリカ系の方々向けとなります。
その為、当店では日本人に合うサイズとして
3Cと5Cをオススメさせて頂いております。

長々とマウスピースに関してご紹介させて頂きましたが、
実際吹いてみないことには分からないことの方が多いと思います。
Bachは特に種類も多い為、全種類吹いてみる等のことは難しく
だいたいの目安をつけその中で気に入ったものを選ぶ、
といったことが必要になってくると思います。
その手助けとなればいいな。と思いながら第1回は締めさせて頂きます 。
(第2回があればいいな。なんて思っております)

最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。
次回はいつになるか分かりませんが宜しくお願い致します。


TAKAYANAGI