なにこれユーフォ?チューバ?・・・ロータリーユーフォニアムです。

なにこれユーフォ?チューバ?・・・ロータリーユーフォニアムです。

2016-09-13 なにこれユーフォ?チューバ?・・・ロータリーユーフォニアムです。

こんばんは。
御茶ノ水ウインドパルのこばやしです。

連日の雨で嫌になっちゃう御茶ノ水ですが・・・こんなときぐらいは楽しい話題がほしいですよね?
そんなあなたにこんな話題をご提供。

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ロータリーユーフォニアムです。

ロータリーユーフォってなによ?
って感じですね?

そりゃもう、ロータリーバルブが付いたユーフォなんですけど・・・
めっちゃ奇特な楽器なんですよ。
もともとユーフォっていう楽器自体がけっこー複雑な進化をたどっており、なかなか難解な歴史背景があるんですね。
それらを確認することによって、この楽器の奇特さをご理解いただけるかな?と思います。

いやー、このロータリーユーフォ、面白いっすよ!

ちなみに担当こばやしの資料から抜粋っていう感じなので、やや端折った感じになりますが
しばしお付き合いください。

まずユーフォっていえば、ベッソンの楽器っぽいルックスをイメージされるかと思います。
ヤマハで言うとYEP-842Sみたいな・・・あれがユーフォって感じですよね。
しかし歴史をさかのぼるとユーフォニアムっていう名前がついているものの、その姿は現在のユーフォニアムっぽくない楽器が存在してきた点が主に話をややこしくしています。
そもそも低音の金管楽器というジャンルは、奏法やルックスが似ていても、別系譜での進化を辿った楽器が多く存在しています。
ビジネスとしても注目されたんでしょうね。”ヒトヤマ当てたい”先人が頑張っていろんなのを作ってました。
腹違いの兄弟にみんなユーフォっていう名前がついちゃったとも言えるかと思います。

話をまとめますと
やっと淘汰されてきた楽器がユーフォっていう感じでしょうか。

さて元をたどれば1843年ごろ、ゾンマーさんが「Euphonium」という楽器を制作したのが始まりといわれる説があります。
ゾンマーさんはテナーテューバという楽器(これはめっちゃ縦長でベルが小さい楽器です)を元に制作したとのことですので、今のユーフォの姿とは程遠い物だと想像できます。しかし、文献を探しても写真等は見つからず、ルックスは不明。

1843年ごろ、アドルフサックスさんがサクソルンファミリーを作りました。その中の低音楽器としてバリトンサクソルンがあります。
このバリトンサクソルンのルックスが後世に残っていったと考えられる説があります。私はユーフォの始まりはこっちの血筋が強いかな?と思ってます。
ちなみにこの生まれたばっかりのサクソルンは今とは運指が異なっていたようです。

その後にも紆余曲折ありながら、(主に、楽器メーカーサイドとアドルフサックスさんサイドとの権利云々・・・)
現代のユーフォニアムっぽい見た目のサクソルンに、サクソルンという名前が使えなくなります。
そこで、現代のユーフォニアムっぽい見た目のサクソルンに、ユーフォニアムって名前が付いて、
めでたくユーフォ誕生!っていうわけなんですね??!というか、現代日本でユーフォと呼ばれる楽器ができたって感じですね???!
ちなみに1880年ごろコンペシステム君が開発されて、ほぼほぼ現代の楽器と変わらない見た目になってきます。


これはあくまで現代のユーフォにスポットを当てた解説となっております。

え?それ以外になんかあるかって?

ユーフォ君の家系図を見ていく際に避けて通れないのがバリトン音域の金管の存在。
各国にバリトン音域の金管楽器が存在し、それぞれ独自の進化をして、活躍してきました。

具体的には、
?たとえばさっきのアドルフサックスさんのフランス式バリトン。(ピストンバルブです)
?ドイツのカイゼルバリトン。(ロータリーバルブ)
?アメリカで育ったほっそいボアのバリトン。(ピストン)
?やっぱりドイツのテノールホルン。(ロータリー)

こんな感じで、各国のバリトン(ぐらい)音域の楽器たちが干渉して、
イギリスのコンペ付きユーフォニアムに収束して、現代のユーフォが出来上がっていった
というのが私の見解です。

ユーフォニアムっていう楽器自体がかなり曖昧なのかもしれません。

さて長々とお話しさせていただきましたが
今回入荷した楽器を見てみましょう。
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こんな楽器は過去存在してこなかったんじゃないでしょうか?
15.0mmの太いボアサイズ
で、1?4番迂回管まで、ボアサイズは均一。
卵型のルックスではない。
(マウスピースはラージシャンクのやつを使用します)

かつてのバリトン音域でロータリーを持っている楽器っていうのは
だいたい丸っこい卵型をしています。(これはいったい何故なのかはちょっとわかりませんが)
こういうベッソンっぽい感じの形でロータリーっていうのはある意味新しいと思います。

というか

なにこれ?・・・

いつ使うんだこれは!!!・・・


というテンションになってしまいますね。


音色は朗々としていて低域の倍音が良く、なかなかとても良い感じですが・・・
ほかに比較対象が無いためロータリーだから良いのか分かりません。

分かりません。

ただ一つ言えることは、明確な意図があって生まれた産物っぽいなぁということですね。
さすがはプロジェクトユーフォニアムと言うべきでしょうか。
担当こばやしの稚拙な知識ではちょっともう太刀打ちできない・・・

最近はもっぱら開発担当者さまの意図を想像しながら寝食する日々です。


ちなみにご注文はこちら。まあいきなりご注文頂けるとは思ってませんが、とりあえず試奏をお勧めします。めっちゃ面白いです。

~追記
数日考えてたんですが、カイゼルバリトンにけっこう近い存在かもしれないですね。

担当こばやし

KOBAYASHI

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イシバシ楽器WINDPAL管楽器専門店

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