ポパイが僕達のアメリカの原点だった

カリフォルニアに憧れてアメリカン・ギターが欲しくなった

2016-06-20

リニューアルした売場が好評のアコースティック・ギター・フロアの白井です。本屋が好きで毎日のように本屋に通っている私ですが、先日思わず手にとってしまったのがこのポパイ40周年記念号。この40周年記念号には、なんと創刊号が付録していました。

40年前の1976年と言えばアメリカ合衆国が建国200周年の節目。そんなとき、ポパイがファッション、スポーツ、車、趣味といった様々な分野の「こだわりのアメリカン・アイテム」を紹介しました。前年に出版されたメイド・インU.S.A.カタログとともに、私達の世代にアメリカン・アイテムを惹き付けさせた原点と言っても過言ではないでしょう。
また、この創刊号の表紙にもカリフォルニア特集とありますが、ポパイが巻き起こしたのが西海岸ブームです。陸サーファーが登場したり、日産がサニー・カリフォルニアを発売したりするなど、様々な分野に渡る大きなブームとなりました。音楽面では当時の西海岸音楽シーンの中心的存在だったイーグルスやドゥービー・ブラザーズが日本でも人気を博しました。彼らが愛用するマーチン、ギブソン、フェンダーといったアメリカン・ギターへの憧れを助長しました。

ポパイ創刊号には、マッケイブス・ギター・ショップやサンタ・バーバラのファンシー・ミュージックといった楽器店が紹介されています。前者では当時まだ一般には馴染みがなかったビンテージ・ギターなどが、後者の記事では新品と思われるマーチンのD-45とOOO-45が紹介されています。私達の世代は、こういったファッション雑誌を通じて楽器のブランドや商品名を覚えたものです。楽器への興味が先ではなく、アメリカや西海岸への興味が先だったと言うのが良いのかもしれませんね。

ポパイ創刊号に掲載されているD-45は、比較的最近の私のブログで紹介したばかりですので、今日は西海岸ブームを象徴するバンドのひとつ、イーグルスも愛用したD-35を紹介することにしましょう。
D-35は60年代のフォーク・ブームに登場した、マーティンのスタンダード・シリーズの中では比較的新しいモデル。ボーカルを引き立たせるため、力木を細くしてD-28より明るい音色が出るようになっています。また、木材の節約のため裏板を3ピースにしたのも特徴です。D-35の明るい音色は、爽やかなウエスト・コースト・サウンドにも良くマッチします。イーグルスでは主にグレン・フライ、ドン・ヘンリーが使用していました。彼らの「ピースフル・イージー・フィーリング」、「テキーラ・サンライズ」、「我が愛の至上」、「いつわりの瞳」などを奏でれば、70年代のカリフォルニアにタイム・スリップ。ポパイとともに70年代の青春時代の思い出に浸ってみてはいかがでしょうか。