The British Pedal Company 取扱開始!!

伝説的ヴィンテージファズの精巧なレプリカを現代に!!

2016-04-26 The British Pedal Company

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その名の通り、イギリス・ロンドンにある楽器屋が並ぶ
「デンマーク・ストリート」に本拠地を置くエフェクター・ブランド。

いまや伝説的とも言える歴史的ファズを、ルックス、回路、操作性に至るまで
徹底的にオリジナル同様に完全再現した復刻品シリーズを中心に製作しています。
1965年、今から半世紀以上前に開発されたファズの名機『TONE BENDER』
その開発者ゲイリー・ハースト監修の上、
50年以上前と同じルックス、同じ回路を同じパーツで再現する、
という主旨で製造・販売されています。

当初イギリスのJMIブランドから発売されましたが、JMIのブランド再編に伴い、
エフェクター製品に関してはBRITISH PEDAL COMPANYブランドでの発売となります。

BRITISH PEDAL COMPANYはイシバシ楽器が正規ディーラーとなっており、
御茶ノ水本店での取扱いを開始し致しました。


歴史的な名機を完全復刻した『 Vintage Series 』
現代のスタイルに合わせ製作された『 Players Series 』
ラインナップを順次ご紹介していきたいと思います。


紹介に際し、TONE BENDERに関して非常に深く考察されております
TATS氏のブログ 『Buzz the Fuzz.』
また、同じくTATS氏によるBRITISH PEDAL COMPANYのコラム
『歴史と伝統の英国サウンド』をご参照させて頂きました。

非常に濃く素晴らしい内容と、とてつもない程の情報量となっておりますので
興味を持たれた方は是非ご一読をお奨め致します!!


それでは、製品をご紹介していきます。



MK1 Tone Bender


1965年夏、英国で初めて製造・販売されたファズ・ペダル「TONE BENDER」。
その初号機にあたる、通称『MK1』の復刻モデル。
ヤードバーズ時代のジェフ・ベック、
60年代のピート・タウンゼンド(THE WHO)、ミック・ロンソンが 使用したことで知られる
この『MK1』は、圧倒的な歪み量と音量を備える荒々しいファズ。
その魅力は現在ジョー・ペリー(エアロスミス)やJマスシス(ダイナソーJR)等も
この復刻品を使用するほど。
オリジナルと同じ筐体・サーキット・トランジスタ構成(OC75/2G381/2G381)を採用。

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この『MK1』の始まりは、もともと米国製の世界初の製品化されたファズペダル
『Mestro / Fuzz Tone』をベースに開発されました。
『Mestro / Fuzz Tone』はRolling Stonesの
「(I CAN’T GET NO)SATISFACTION」の有名なイントロでも耳にすることのできる
ゲートが強烈に作動し、サスティンがほとんど残らずにブチブチと音が途切れる
オールドスクールなファズでした。

1965年、上記のようなサウンドのFuzz Toneを故障しているものと勘違いし、
あるギタリストがゲイリー・ハーストのもとに修理に持ち込みましたが
実際にはどこも故障していませんでした。
このFuzz Toneの回路をベースに、より実用的に改良されたファズが作られたのが
『Mk1』のプロトタイプとなります。
『Mk1』はOC75を初段に、後段に2G381を2つ配置した
計3つのゲルマニウム・トランジスタを使用した爆音・激歪を生み出すファズですが、
ギターの種類やピックアップ、アンプによって全く印象の異なる出音となり、
たった2つのツマミで幅の広いサウンドを出せるのが魅力です。


MK1.5 Tone Bender

1966年の初頭から初春にかけて、という
ほんの僅かな時期だけ発売された「MK1.5」の復刻品。
ビートルズ時代のポール・マッカートニーやジョージ・ハリスンが
使用したことでも知られる「MK1.5」は、シンプルにリファインされたファズ回路
(後に発売されたあのFUZZ FACEと同様のもの)を持ち、
ギターのボリュームに敏感に反応するそのクランチ?歪みのコントロールが魅力。
トランジスタには貴重なOC75を2ケ使用。

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この『MK1.5』は近年までその経緯や内部構造を含めて謎が多いモデルでしたが
ネットの普及により情報の共有が容易となった現在では様々な事実が判明しています。

長らく『MK1.5』とFUZZ FACEはどちらが先に開発されたのか?』ということが
議論されていましたが『MK1.5』が発売されたのは66年初頭、
FUZZ FACEは66年12月ということが明確になっております。

初めてFuzz Faceを販売したArbiter社がTone Benderの回路に影響を受けて
Fuzz Faceを製作した可能性は、たしかに無いとは言い切れませんが
逆にTone Benderの実機を元にFuzz Faceが作られたとしたら、、、
Arbiterが入手したTone Benderは偶然にも、
TONE BENDERシリーズの中でも極短期間しか生産されなかった
『Mk1.5』モデルだったことがFuzz Faceを産んだとも言え、
そののちに続く『名機』も生まれなかったかもしれない…。

偶然の一言では済ませられないなんとも運命めいたものをものを感じます。
ゲイリー・ハースト氏曰く、「最初のMK1の回路を、更に洗練させたかった」との理由で
2ケのトランジスタの回路で基板上のパーツが9ケという極めてシンプルな回路となっています。
ギターのボリュームに敏感に反応するペダルです。


Professional MKII Tone Bender OC75
Professional MKII Tone Bender OC81D


1966年春に発売された伝説的な名器「Tone Bender Professional MK2」の完全復刻品。
ジミー・ペイジ、ジェフ・ベックといった当時のスーパー・ギタリストが
こぞって足下にこれを置き、歪みを生み出したことで知られるモデル。
今ではとても貴重になったOC75トランジスタをオリジナル同様に3ケ使用。
回路内にはトリム・ポットを追加採用することで、
温度に敏感なゲルマニウム・トランジスタの弱点も克服する等現代のニーズにも対応。





MK1.5の回路は、MK1に比べ歪みの太さ等はやや控えめとなりましたが
当時のギタリスト達は「より長いサステインを、より深い歪みを」求めていたため、
ゲイリー・ハーストは「MK1.5回路の初段にさらに増幅回路を付け足す」という
モディファイを施しました。

MK1の回路もトランジスタは3ケ使用していますが、
MK2のサウンドは全く異なったものに仕上がっています。
この『MK2』は様々なブランドからOEM製品が発売されました。
VOX TONE BENDER PROFESSIONAL MK2や
MARSHALL SUPA FUZZなど名称は異なりますが製造はすべて同じメーカーが行っていました。
ジミー・ペイジが、「僕のギターサウンドの75%はこれでできている」とまで言わしめたのは
このTONE BENDER PROFESSIONAL MK2です。

ジェフ・ベックもMK2回路のTONE BENDERを使用し、
ザ・フーのピート・タウンゼンドもMK1に引き続き、
MK2回路をもったMARSHALL SUPA FUZZを使い続け
あのジミ・ヘンドリクスも一時期、
同じくMARSHAL SUPA FUZZを使用したと思われる写真が残されているそうです。
名だたるアーティストたちが当時こぞってこのファズを使い、名曲たちを演奏していたことからも
非常に魅力的なサウンドを生み出すことのできるペダルです。

なお、『Professional MKII Tone Bender OC81D』は一見すると違いがわかりませんが
ジミー・ペイジがヤードバーズ?レッド・ツェッペリン時代に使用した個体に
『OC81D』が搭載されていたという説から、その再現を狙ったマニアックな1品となっています。


MKIII Tone Bender


それまでのTONE BENDERシリーズの回路を完全にリファインし、
1968年に発売された「TONE BENDER MK3」の復刻品。
トーン・コントロールが採用されたことにより、より多彩なファズ・トーンを生み出すことに成功、
また深くキメの細かい歪みを生むことができるモデル。
70年代のジミー・ペイジが使用した他、
ケヴィン・シールズ(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)
Jマスシス(ダイナソーJR)もお気に入りで使用しているファズ・ペダル。

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ほぼ全ての点において大きく変更が施された『MK3』
サンドキャスト(鋳造)で作られた重々しい筐体から、
鉄板で作られた薄くスリムな筐体へと変更され
カラーリングも、それまでのハンマートーンから、
カラフルでポップなサイケデリックなペインティングが施されました。

見た目だけでなく回路も大幅にに変更され、
プリント基板を用いた回路基板に変更されています。
『3つのゲルマニウム・トランジスタ』を使用している点は変わりませんが
この『MK3』から『TONE』コントロールも追加されるようになりました。
表記上はTREBLE / BASSとなっており左に回し切ればチリチリとした非常にトレブリーな、
右に回し切ればドロドロとした太いサウンドになり、
非常に『振り切った』サウンドを演出できます。
非常に強烈に変化を生み出すこのノブのおかげで、TONE BENDERというファズは
より多彩なサウンドを生み出せるペダルとして生まれ変わりました。



まだまだ、語りたいことは尽きませんが、一旦本日はここまでとさせて頂き
次回また『 Vintage Series 』のラインナップのご案内をさせて頂きます。

この記事でTONE BENDERが気になった方がいらっしゃいましたら
どうぞ御茶ノ水本店 エフェクターフロアまでお問い合わせ下さいませ。

店舗情報

イシバシ楽器御茶ノ水本店

OCHANOMIZU HONTEN

〒101-0062

東京都千代田区神田駿河台2-2

TEL:03-3233-1484

営業時間:11:00 ~ 19:00

アクセス:【JR】御茶ノ水駅(徒歩1分)

【東京メトロ】丸の内線 御茶ノ水駅(徒歩2分)

【東京メトロ】千代田線 新御茶ノ水駅(徒歩2分)

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