訃報:グレン・フライ他界

西海岸ブームの象徴、ギター・ファンを熱くさせたイーグルスのフロントマン 【Vintage】

2016-01-19 60495 B


ご存知の方も多いと思いますが、1月18日イーグルスのグレン・フライが亡くなりました。

イーグルスはアコースティックとエレクトリック・サウンドを融合したアンサンブルと卓越したボーカル・ハーモニーを武器に、アーシーなカントリー・ロックからハードなロック・ナンバーまで幅広く演奏するアメリカ西海岸を代表するバンドのひとつです。そしてまた、日本では雑誌『ポパイ』が創刊され巻き起こった1970年代後半の西海岸ブームの象徴的な音楽グループでもありました。「ホテル・カリフォルニア」のツイン・ギター・ソロは当時のギター少年を熱くさせました。そして、音楽だけでなくファッションやライフ・スタイルへも影響力がありました。ブリティッシュ・ロッカーのように着飾らず、Tシャツとジーンズでギターを弾く姿を格好良く見せてくれたのがイーグルスでした。また、サーフィンをするわけでもないのにサーフボードを車のルーフに乗せて、イーグルスを聴きながら湘南をドライブしてカリフォルニアを疑似体験、なんて想い出を持つ方もいらっしゃるはず。

イーグルスは多様な音楽スタイルに合わせ、ステージでも楽曲ごとにマーティン、フェンダー、ギブソン、グレッチといった色々なギターを使い分けました。いわばアメリカン・ギターのカタログ的なバンドでした。1979年、二度目の来日時に『ヤングギター』が彼らの機材を特集しました。丁度ビンテージ・ギターが注目を浴び始めていた時期です。日本のギター雑誌におけるバック・ステージの取材記事の走りと記憶していますが、バック・ステージに所狭しと並べられたマーティン・ドレッドノート、フェンダー・テレキャスター、同ストラトキャスター、ギブソン・レスポール、同ダブル・ネックSG、グレッチ・カントリー・ジェントルマンといった総勢数十本のギターの写真は垂涎モノでした。この特集を見て、サンバーストが退色したドン・フェルダーの59年レスポールと退色していないジョー・ウォルシュの60年レスポールを見比べて、年式による違いを知ったファンも多いことでしょう。そんな記事からアメリカン・ギターへの知識を深め、また憧れの気持ちを抱いていったものです。
また当時から日本のタカミネのエレアコも使っていました。アメリカ製品と対等に扱われるタカミネは日本人として誇らしく思えました。後年タカミネからグレンのシグネチャー・モデルが発売されてからは、それをメインのエレアコとして使用していました。

イーグルスは当時の若者のギター・ライフに大きな影響を与えたバンドでした。グレン・フライはドン・ヘンリーとともにイーグルスの中心人物で、社交的な彼はデビュー当時よりフロントマン的存在でした。とりわけ、五十代の音楽ファン、ギター・ファンには特別な想いをよせる方が多いでしょう。私もその一人です。

謹んで、ご冥福をお祈りいたします。

白井英一郎

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