Ishibashi Mail Magazine Vol.20 2007年4月11日発行

小沼ようすけ 音楽コラム「ソロギター・トーク」

小沼ようすけ 音楽コラム「ソロギター・トーク」 VOL.8



オファーされるレコーディングについて・・・





今回はレコーディングの話をいくつかします。

ジャズというフィールドを越えて様々なジャンルの方からオファー(依頼)されるのは

ほんとにうれしい。

僕の場合、スタジオミュージシャンとしてではなく、JAZZミュージシャンとして

呼ばれることが多いので、アーティスト、プロデューサーとインスピレーションを

ぶつけ合って即興的に決め込んでいくことがほとんど。



 具体的に(あくまで自分の視点から)、事前に譜面をもらうのが3割くらいで

後は、現場に行ってからです。録り方も2種類あって、生のバンド全員で一発録りか、

もともと音源ができていてそれに重ねるパターン。

前者はJAZZ系に多く、後者はポップス系に多い。例えるなら、前者は白紙に1から絵を

書くのと、後者は元からできた絵に足りないものを書いていく見たいな感覚なので、

当然プロセスは違ってきます。



 みんなで作る場合は一回演奏し、改善点を話し合いまた演奏。いいのが録れたら

KEEPしてもう一回録りますが、ほとんどの場合最初に”いいね!”とみんなが納得した

ものに決まるかな。JAZZの場合は最初の一発OKっていうのも良くあることです。



 できている物に重ねる時は、とりあえず曲を聴きながら自由に弾いて、おいしい

ポイント(みんなが反応する)と自分のやりたいことのバランスをとりながら、決めて

いきます。問題はそれが見えないときと、相手のニーズと自分のやりたい事が異なる時。



そんなときは・・・・



 素直に”どうしたいいですか”と聞くのが一番いいと思います。

何か一筋の光が見えればことは前進するし、意外に新たな自分を発見したりします。

レコーディング時、魔物にとりつかれ(ハマるとも言いますが)苦戦してしまうことも

昔ありましたが、そんな経験から言えることはプライドを捨てて素直に助けを求める

ことも大事ということです。



そういえば先日槇原敬之さんのレコーディングをしました。

終始ハッピーで、自分のニーズをさりげなく伝えることができる。ようするに人の

持っているものを引き出すことの天才! まさに理想的なレコーディングでした。

素晴らしいミュージシャンはジャンル問わず、人を思いやり真剣に楽しみながら突き

進んでますね。







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