Ishibashi Mail Magazine Vol.15 2007年1月24日発行

小沼ようすけ 音楽コラム「ソロギター・トーク」

小沼ようすけ 音楽コラム「ソロギター・トーク」 VOL.3



皆さんこんにちは。いかがお過ごしですか?

早いもので1月ももう終わりに近づいてますね。

さて、突然ですがミュージシャンというのは皆「音楽活動」でそれぞれの

生活を支えているわけですが、同じミュージシャンでも主な収入源は人さまざまです。

「印税」、「レコーディング」、「ライブ」・・・



ちなみに僕らジャズミュージシャンは主にライブ中心の生活になります。

それはキャパシティ(収容人数)20人の小さいライブハウスから大きなフェス

ティバルまでさまざまです。

今回はそんな中から「ライブ」を題材に、ライブならではのハプニング話を

ひとつお話ししたいと思います。



ライブは生物「ナマモノ」です。

時に、びっくりするような事態が突然襲って来ます。

以前出演した大きな港倉庫での室蘭ジャズクルーズ。編成はハモンドオルガン、

ドラム、ギターの3ピース。



リハーサルでのチューニング時のこと、、、

"今日は?"



"440で"



"OK〜"



みたいに大体みんなで音を合わせる前に必ず確認します。生ピアノが入る場合は

A=442だったりするのでギター、ベースなど自分で調律できる楽器はそれに合わ

せます。…ところが、音合わせてみると今日は何かが違う…。

ハモンドオルガンのAが四分の三Bフラット。A=???みたいな状態に。



最初はハモンドの不具合かと思われたその症状も地元のスタッフの方々の話を

聞いていくうちに分かったことは、どうやら会場の倉庫が独自に発電しているらしく、

その影響の可能性が高そうだということ。そういう立地条件でのハプニングは極めて

珍しいです。

 当然チューナーは役不足なので、オルガンの音を聞いて耳で音を合わせます。

音合わせ完了し、リハで曲を始めても全曲テープを早回し! ??しているみたい

な違和感が・・・

普通に演奏しているのにすごくアウトサイドしているフレーズに聴こえるしなんて

大変なんだろう(笑) ただ幸いだったのは管楽器奏者がその時の自分のバンド編成に

いなかったこと。分かりますよね?(笑)

もしいたらさらに大変でしたね。

ユニゾンなんてしたらグシャグシャだったろうなぁ・・・



 本番は事前にある程度の対策ができていたのでその早回しハプニングを楽しみながら

無事終わりましたが、お客さんで絶対音感があった人はさぞかし気持ち悪かったんだ

ろうなあ。そうしてハプニングをひとつずつ乗り越えてまた新しいハプニングに出会い

ます。それ以来、そんなハプニングも今やネタになり、同じメンバーでのリハーサル時で

たまに・・・



"今日、Aはどうする?"



"478お願いします"



"おっ、室蘭バージョンだね(笑)"



"一同笑"



ハプニングはチャンスです。テクニック(適応力)、絆、度胸、様々なものを与えて

くれます。後ネタも…(笑)



今では楽しい思い出です。







注)*通常のギターチューニングはA-440Hzとなります。





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