Ishibashi Mail Magazine Vol.36 2007年12月13日発行

小沼ようすけ 音楽コラム「ソロギター・トーク」

小沼ようすけ 音楽コラム「ソロギター・トーク」 VOL.24

ギターを弾く理由は?

みなさんこんにちは!

毎回気が赴くままに書いてきたこの日記も
残すところ後2回となってしまいました。

いきなりですがみなさんに質問です。

何のために楽器を演奏していますか?

趣味で楽しみたいから、かっこいいから、癒されるからetc....
もちろんプロを目指す人、そうでない人それぞれあるでしょうけど、
今回はこのテーマで語りたいと思います。

ギターを始める中学時代思春期を迎えた僕は
とにかく目立ちたい、人のできないことをやりたい、そんなパワーに
溢れまくっていて、パーマをかけたり、テカるロングコートや革ジャンを着たり
登校時間には行かないなど禁止されているものに興味を持つ生徒でした。

今考えるとほんとにかわいいものですが、
家にあったギターを持った瞬間
いままで足りなかった何かが満たされ、無我夢中で弾いた
記憶は今でもはっきり覚えています。

とにかく人を驚かせたい、目立ちたいそれが一番始めのギターを弾く理由です。
ハードロックにハマっていた高校時代は
いかに速く正確に弾けるか、どれくらい埋め込むかに懸けていて
バクチクやジギーなどのメロディアスな曲でさえ、
オブリでスイープ&高速フレーズを入れまくり、
多分かなりのヒンシュクをかっていました(笑)

秋田から上京し、初めてジャズと出会ったとき、余りに何も
弾けない自分が悔しくて勉強しようと思ったのがジャズへの
入り口でした。

相手がいて常に自由に変化していくという、調和を求められる
音楽の中で、テクニックだけじゃ無理なんだと
初めて気づきました。

人と気持ちを合わせるにはどうしたらいいか?
音で愛情を表現したいときは?
切ないギターって?
グルーヴとは?
楽しいと真剣の共有って?

そのときまでまるで考えもしなかった感情表現の疑問、
せき止められていた何かが一気に押し寄せてきました。

初めてギャラをもらって人前で演奏したときは精一杯で、来てくれた人のことなんて考える余裕も
なかったけど、よかったよとかの一言がほんとにうれしくて。
たくさんの人に何か与えられたらなあと思い始めたのはこの頃からでした。

目立ちたいから人に何かを与えたいに変えてくれたのは
ライブに足を運んでくれて
聴いてくれて、もらってくれたものを僕に伝えてくれた
方々のおかげです。

同時に新たな悩みもでてきます。

どうやって伝えようか?
自分の表現ってなに?

そんな疑問にずっと悩まされ
試行錯誤し、音楽を融合したり斬新なカバーをやったり
していましたが、今のところに引っ越して海をみているうちに
あるときフッとすっきりしました。

僕の欲しかったものがすべてそこにあったから。

余りに音楽漬けで気づかなかったけど
すごくシンプルなものでした。

”決して逆らうことのできない自然のリズム”

最後にギターを通して自分を伝えることができる幸せ
をいまでも感じることができるのはやはり聴いてくれる
人がいるからです。

千人だって一人だって変わらないと思います。

ギターで伝えていきたいことが山ほどあって
それが尽きない限りこれからも弾き続けるんだろうなあ。

肝心の理由はというと........

究極にシンプルですが........

幸せに生きたいからです。

Have a beautiful day!


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