第18回(by LUKE居波)
メールマガジンをご覧の皆さま、今月も様々なギターの魅力をご紹介する「イシバシ三銃士のスーパーギター列伝」のお時間がやってきました。今回は私ルーク居波が素晴らしきフェンダリアンの世界に皆様をご案内します。
池袋店に移り早2ヶ月が経ちますが、皆様池袋店にはご来店頂けましたでしょうか。フェンダー王国は日々拡大を続けており、そのフェンダーの在庫量に確実に驚かれることでしょう。そんなフェンダリアンの道を日々精進している私ですが、まだまだ勉強不足なことも多く、驚かされることもしばしばあります。
本日ご紹介するのは私も驚かされた歴史の影に隠れたロマンあふれる材を使った極上の一本、某日某所、フェンダーカスタムショップ創立30周年を記念して行われた大選定会、フェンダーに選ばれたディーラーのみが参加を許された特別な場にて私ルーク居波が選定買い付けを行った極上の一本が入荷。各ディーラー入札殺到の中、奇跡的に勝ち取った世にも珍しいマスターピースをご紹介致しましょう 。
画像を見る限り一見何の変哲もない60年代モデルのストラトキャスターと思ってしまうこの一本。なんとボディ材に“ササフラス”(Sassafras)を採用した非常に貴重なモデルなのです。
時は遡り1940年代終盤、レオ・フェンダーが地上初の量産型ソリッドギター、ブロードキャスター(のちのテレキャスター)の開発にあたって、ボディの木材に何を採用するかを検討している際に候補に出た材が二つあったそうです、それが今ではおなじみのアッシュ材と今回のササフラス材だと言われています。
現在ではササフラス材はギターに使用される木材としては馴染みがない方も多いと思います、もしこの時レオ・フェンダーがササフラスを採用していたなら今頃は多くのギターにササフラスが使われていたのではないでしょうか。そう考えると歴史の影に隠れた非常にロマンのある木材だと感じさせてくれるのです。
ササフラスですが木材の特性としてはアッシュに近く、アッシュ特有のエッジの立ったジャキっとしたサウンドが魅力です。しかしながらアッシュにはない、太さ甘さを兼ね備えているといった印象を与えます。アルダーに近いわけではなく、あくまでアッシュサウンドの中に含まれた暖かみを感じることができるのです。またササフラスボディの本器は角度によってフレイムが入るのも特徴のひとつ。正面からでは分かりづらいですが、構えたとき、ギターを揺らしたときに浮き出る極上のフレイムは、アッシュ、アルダーなどの今までの木材では見られなかった、色気のある表情を醸し出してくれます。
製作はマスタービルダー、グレッグ・フェスラーによるもので、フェンダー・カスタムショップの礎を築いた当時の総責任者ジョン・ペイジによって、その実力と才能を見出されマスタービルダーとなった人物です。2008年に亡くなってしまった盲目の超絶ギタリスト、ジェフ・ヒーリーのギター製作を担当していた事や、元マスタービルダーのジーン・ ベイカーの仕事を後継する形でロベン・フォードの専属ビルダーを務めたことが有名です。常に演奏する人の側に立ち、最高のクラフトマンシップを注ぎこむことに労を厭わない姿勢から、日本国内でも大変人気が高いビルダーです。
今回、フェンダーカスタムショップ創立30周年ということで、上記の逸話を聞いたグレッグ・フェスラーが是非ササフラスを使って作りたいと申し出た極上の一本なのです。 基本スペックはクレイドットポジションマーク、スラブボードローズウッドフィンガーボードなど1960ストラトキャスターに準じておりますが、ネックは太目のラージCネックを採用、決して太すぎるということは無く程よく手に馴染みます、また6105ミディアムフレット、9.5ラディアスといったモダンスペックの採用も演奏性を高めておりストレスフリーな演奏が可能です。
ピックアップにはFender Custom Shop Fat 60sを搭載、もちろんすべてホセフィーナ・カンポス史による手巻きによるものです。2012年5月にフェンダーを引退した伝説のピックアップ・アーティスト、アビゲイル・イバラ史。そんなフェンダーサウンドのすべてを知る彼女に師事し、その後を引き継いだ次世代のピックアップ・アーティストです。手巻きならではの太く音抜けの良いサウンドは極上の一言、プレイヤーの演奏する手を止めさせません。
いかがでしょうか、フェンダーカスタムショップ創立30周年を記念した特別限定モデル、また歴史的にも非常に面白い逸話の隠れた本モデル、思わず誰かに自慢したくなる渋い一本かと! 是非その手でご堪能くださいませ。
それでは皆様も良きフェンダーライフを!
大いなるギターワールドの旅に出かけよう!
今回のご紹介商品
Fender Custom Shop / Master Built Series 1960 Stratocaster N.O.S 3-Color Sunburst Sassafras Body by Greg Fessler 【S/N CZ531187】【池袋店】
ルーク居波(ルークいなみ)
横浜店勤務時代はデューク工藤に、渋谷店ではスターキー星に師事、現在池袋店にてフェンダーを担当。海外買付なども行っており、2人のフェンダーDNAを引き継いだ若きホープである。彼自身、多数のフェンダーギターを所有しており、中でもジャズマスターにかける愛はイシバシ随一! ちなみに彼が身につけているメガネもフェンダー製なのは言うまでも無い。 フェイバリットミュージックはオルタナ、ポストロック、シューゲイザーなど現代的なものから70~90年代のロックまで幅広く愛聴している。常にお客様の立場に立ち、独自の視点で最高の1本を探すお手伝いをさせて頂きます。









