レイ・ヴォーンが亡くなって早くも16年以上が経過している。90年8月、これから 世に出て活躍と言うところで他界してしまった。ギターヒーローは皆、同じような 生き方をしているような感じさえする。
このライブはアルバム「Soul To Soul」が発売される直前の日本公演の模様を 収録している。82年頃世に出始め、83年に発売されたデビッド・ボウイのアルバム 「Let's Dance」で全てのギターを弾き、脚光を浴びたのは言うまでもない経歴。 しかし、当時レイ・ヴォーンの情報はあまり多くなく、ジミヘンみたいな物凄い ブルース・ギターリストが来るぐらいの前置きしかなかった。とりあえずチケットを 買い、芝郵便貯金会館へと足を運んだ。
遂にコンサートが始まるとこれが意外と音がデカイ!しかも、今までに見た事が ない弾き方をしていて超かっこいいのである。確かこの時レイ・ヴォーンは30歳で あったが、とても30歳には見えない程の老け方をしていた。(50代に見えた!) そして前半から登場するギターがあの俗に言う”ナンバー・ワン”と言う ストラトで、ロリー・ギャラガーのストラト並みに塗装が剥げているあのギター である。これでもかと言うくらいに強いピッキングで弾く音に正にノックダウン であった。途中、リップスティック付きの白いストラト等に持ち替えたりもするが、 やはりこのストラトでのサウンドが文句なしに良いのだ。 そして映像の中に登場するアンプ前の謎の透明版や、レイ・ヴォーンが腰から下げて いる”お守り”を探すのもこのライブ映像の隠れた楽しみである。
今思うと何気なしに見に行ったコンサートが、数年後には見ておいてよかったと 思えるコンサートのひとつであった事は間違いない。そしてその数年後、91年の冬に 私は社用でアメリカのフェンダーUSAの工場に行く機会を得た。ちょうどレイ・ヴォーン が亡くなった6ヶ月後の湾岸戦争真っ只中の時であった。工場のカスタムショップの 工房に行くと真っ先に目に入ったのが、このナンバー・ワンSTのレギュラーモデル 「SRV-ST」の試作品だった。本来はレイ・ヴォーン監修の元、製作されるはずだった が、最後は兄のジミー・ヴォーンに監修を依頼したとクラフトマンは言っていた。 あの試作品に生前、レイ・ヴォーンも触れていたと聞き、ギターを抱きかかえたのが 今となってはとても懐かしい思い出である。
[IN JAPAN / STEVIE RAY VAUGHAN AND DOUBLE TROUBLE]
1.Scuttle Buttin' 2.Say What 3.Voodoo Chile 4.Cold Shot 5.Couldn't Stand The Weather 6.Tin Pan Alley 〜 Dirty Pool 7.Mary Had A Little Lamb 8.Love Stuck Baby 9.Texas Flood 10.Lenny 11.Testify
Stevie Ray Vaughan (G&Vo) Tommy Shannon (Ba) Chris "Whipper" Layton (Dr)
| LDジャケット
LD裏ジャケには ”ナンバー・ワン”が!
日本公演のチケット。 それにしても安い入場料です。
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