Ishibashi Mail Magazine Vol.13

HUGHES THRALL / HUGHES THRALL

76年夏にディープパープル解散、トミー・ボーリンの死とグレンの活動は
マイナスへと向かっていた。77年に渾身のファンク・アルバム
「PLAY ME OUT」を発売するが、イマイチのセールスと才能が埋もれていく
のが非常に悲しかった。「PLAY ME OUT」も私的には非常に好きなアルバム
であるが、グレンの声質からして更にハードなものを演った方がカッコイイ
とも思っていた。

 81年にいよいよグレンがハードな路線に戻ってくると噂になり始めた。
それがこの「HUGHES THRALL」である。ツトム・ヤマシタ〜パット・
トラヴァース・バンドを経てこのバンドに参加したもう一人の立役者は
”パット・スロール”。ドラムはアルバムでは”ゲイリー・ファーガソン”等
も叩いているが、1stドラマーは”フランキー・バナリー”の様である。
(ライナー内のフォトに写っている)しかし、正式なドラマーという扱いでは
なさそうで、ロックなホール&オーツだと思ってくれれば良い。

 サウンドは1曲目の「I GOT YOUR NUMBER」からグレンのシャウト出まくりで、トラッピーズ時代の
名曲「COAST TO COAST」まで演ってくれている!しかし、ヴィジュアル的には裏ジャケに写っている
グレンは明らかに肥大しており、変なメイクがそれを更に誇張しているように見えるのだ。
しかし、その内容はパープル時代のゴッド・ヴォイスと何の変わりもないのが凄すぎる。
何故、この1作で消滅してしまったのか解らないほどの出来栄えであるが、その後のグレンの動向を
見ればそれも納得できるかもしれない。因みにこのアルバムの邦タイトルは「仮面の都市」。しかも
"都市”と書いて”まち”と読むようになっている。(訳わからん!)

 その、HUGHES THRALLが日本に1度だけやって来た事がある。82年の春頃だったと思うが、ライブ・ツアー
ではなく、アルバムのプロモーションで来日したのだ。当時、入社して2年目の私はオープンしたばかり
の新宿店に在籍をしていた。この日の朝、駅方面から出勤途中に紀ノ国屋書店の前を通ると、入り口に
”HUGHES THRALL来店”の信じられない文字が!プロモーションのため、サイン会を行う事となっていた。
開催時間が夕方だった為、当時の先輩に頼みこんで駆けつけた思い出がある。当時は当然レコードで
ジャケットにサインしてもらう時、震えまくったのも恥ずかしい思い出。

 私が歌っているグレン実物を見るのは、このことより十数年後になる。そして、最近のグレンは
レッチリのチャド・スミス、デイヴ・ナヴァロをレコーディング・メンバーに迎えアルバムも作った。
このアルバム「SOUL MOVER 」も非常にカッコいい。車で聞くとスピードが20kmはアップしてしまうほど
のCoolさである。こちらも一度聞いてもらいたい。

 このコーナーの第1回もトラッピーズのアルバムを紹介した。2006年最後のアルバムはこのアルバムと
決めていた。とにかくこの1枚を聞け!そして、来年も夜露死苦!
                       by JS




筆者宅の家宝!グレンとパットの直筆サイン入りアナログ盤。


Copyright (C) 2007 Ishibashi Music Corporation. All Rights Reserved.