Ishibashi Mail Magazine Vol.7

QUATRO / SUZI QUATRO
女性ロックンローラーの草分けとも言えるスージー・クアトロの74年に発売された
のがこの2作目「QUATRO」。解りやすいタイトルなのだが邦題は「陶酔のアイドル・ク
アトロ」と当時良くあった”ど〜して?”というタイトルがついている。

 73年に「SUZI QUATRO」でデビュー。それまで女性ロッカーは多数いたがベースを
プレイする女性アーティストはいなかった。ファーストアルバムも名盤ではあるが
このセカンドには私の中での超名曲「Wild One」がオープニングである。更にライブ
でも定番の「Devil Gate Drive」も収録されている。このアルバムが発売された直後
にスージーは初来日を果たしている。自分は見ていないが後に友人から聞いたところ
コンサートは1時間少々しかなく、結構ブーイングも出ていたらしい。今程女性ロッカー
が出現していなかったこの時代では良くあったパターンで、ランナウェイズもゴーゴーズ
も実に演奏時間が短かかったのを良く覚えている。

 スージーの特徴といえばバックメンバーが全て男性で、後にその中のギターリスト
レン・タッキーと結婚している。しかも70年代後期、スージーは日本で人気が凄く
確か結婚式も白無垢姿で日本で挙げており、当時の音楽誌に記事として取り上げられ
ていた。日本好きは更にエスカレートし、酒の宣伝にも出てきて「サケロック」とか
言わされていたのがファンとっては悲しかった。

 そのスージー、やはり似合うベースはプレシジョン・ベース。白のローズネックに
ブラックナイロンの弦が非常にカッコよかった。後期のほうではBC・RICHとかも持って
いたがやはりPBが彼女のシンボル。また、私がスージーを見たのが77年に来日した時と、
90年に来日した時の川崎クラブチッタでのライブであった。この時のオープニングは
予想通りの「Wild One」でこの時40歳であったはずの彼女は年を感じさせないプレイ
であった。しかも公演時間もこの時は2時間近くと満足の内容。しかし、シンボルの
PBではなく”ステイタス”のベースでこの時はプレイしていた。

 このアルバムの後、2〜3作は同じような路線で走っていたが、70年後期からよく解ら
ないディスコ調(死語?)等を取り入れ始めてから、全く聞かなくなってしまった。
唯一のライブアルバムである77年の来日公演を収めてある「LIVE & KICKIN」も録音
状態はあまりよくはないが、当時の臨場感は非常に伝わってくる力作である。

 今年、そのスージーはニューアルバムをリリースしている。まだ、シーンに残って
いるのも知らなかったが、既に50代半ばのはず。日本でも私の崇拝する永チャンが9月の
14日で57歳になった。50代がロックし続けることができるその環境、自分もそんな環境を
作っていきたいと思う今日この頃です。”エニウェイ、やるしかない!”
                         by JS


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