Ishibashi Mail Magazine Vol.5

第5話 ジョン・ウェットン(UK)とピートコニッシュ・プログラムボード

1979年6月4日 日本青年館


79年は過去最高にコンサートに足を運んだ年である。1月にキャメル、2月にジュー
ダス、ストラングラーズ、3月にジャパン、リンダ・ロンシュタット、ロッド・ス
チュワートと続き、4月にユートピア、ボストン、ロキシー・ミュージック、5月は
ブルーオイスターカルト、そして6/4にUKで5日にスコーピオンズと来日ラッシュ!
この間、BOW WOWやJL&Cのデビュー野音等も見ており、後でチケットの半券で確認
してみたら外タレ16本、国内アーティスト18本と年間で34本も見ていた。

 そんな多忙なライブ生活の中でこの年最も印象に残ったライブと言えば、我が愛
するベーシスト”ジョン・ウェットン様”のニューバンド「UK」の来日公演であった。
今回の東京公演は6/4の青年館と6/5の中野サンプラザの2回であったが、あえて狭い
日本青年館を選び、出来る限り前で見たかった。幸い前から8番目をゲット出来たぜ!
開演前、クロークにてCARMEN MAKI & OZのカルメンマキさんを発見!こちらも超ファン
だった為にUKのパンフになんとサインをしていただいたのを覚えている。

 コンサートが始まる前、司会者らしき人が出てきて「今日はライブ録音します」と
言った為、会場は大騒ぎとなった。それだけではなくその司会者は「みんなで楽しく
UKを迎える為、皆でUKコールを練習しましょう」と言ってきた。仕方なく皆で一斉に
”UK,UK.UK,UK,UK”と何度も言わされたのが実に恥ずかしかった。それが終わって
間もなく会場が暗くなり、思ったとおり「デンジャー・マネー」で開演。

 とても3人から出されるサウンドではなく、当時23〜4歳くらいであったキーボードの
エディー・ジョブソン上手すぎて顔もいい、ドラムのテリー・ボジオは当時は殆ど無名で
ザッパの所に居たドラマー位しか認識がなかったが、非常に人気が高かった。
ジョブソンの機材はMINI MOOGに始まりヤマハのCP-80、ボジオは当時珍しかった
REMOのロートタムで固めていた。そんな中一番気になったがウェットンの機材で自分の
ベースも真似してウェットンのPBの様にピックガード切ったが懐かしい。
そして最も真似できなかったのが足元のMOOGのタウラスとピート・コニッシュの
プログラムボードであった。

 当時は選ばれたアーティストにしか作らないと噂されていた「ピート・コニッシュ」
使用しているアーティストと言えば最も尊敬するギターリスト”デイブ・ギルモアを
始めにブライアン・メイ、イエス、ロバート・フィリップとプログレ界では殆どが使っていた。
そのボードの中にウェットンはMXR PHESE 90やJEN DOUBLE SOUND FUZZ/WAH,MU-TRONの
OCTAVE DIVIDER,MXRのFLANGER等を入れていた。UKの曲「アラスカ」のイントロ部を
タウラスを交えて演奏しているのがとてもカッコ良かった!
また、アンプもクリムゾン時代にはHI-WATTの使用が非常に印象的であったが、
70年代後半からMARSHALLを多用し始めている。あのゴリ押しのサウンドは
此処から生まれているのかもしれない。

 そしてこの究極のライブは後に発売されたライブアルバム「ナイト・アフター・ナイト」
では1曲目になっているタイトル曲を最後のアンコールで演奏しステージを終えた。
最近ではこのピート・コニッシュもコンパクトエフェクターとして庶民にも使えるエフェ
クターとなったが、それでもまだ価格はTOPクラス。私の足元に並ぶまでには
まだまだ時間がかかりそうである。
 またこの数年後、確か2度目位のASIA来日公演の際、中野サンプラザに見に
行った。その時には悲しいかな足元にはこのボードはなく、当時発売されていた
マルチエフェクターMAXSONのPUE-5Bが1台しか設置されていなくて少々寂しかった
のも懐かしい。

つい最近、UKのアルバムが全てリマスターされ、紙ジャケCDとなって登場した。
当然、全て買い換えた訳であるが「ナイト・アフター・ナイト」のダブルジャケット
まではコピーされておらず、中ジャケの最強のライブ・フォトが再現されていないのが
少々悲しい。相変わらずアナログ盤を眺めながらCDを聞いている次第です!
しかし、最近のウェットン様は少々太りすぎです。
人の事は言えないか!    
                        by JS

ピートコーニッシュ(OFFICIAL)




憧れのウェットン様のEFボード



ウェットン様のマーシャル郡




UKの公演チケット(デカイ!)




ASIA来日時のウェットン様の
直筆サイン(い〜でしょ〜)



アルバム「ナイト・アフター・ナイト」
の中ジャケ



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