Ishibashi Mail Magazine Vol.37

FENDER PRECISION BASS 1967


1951年フェンダーからエレクトリックベースが誕生した。
フェンダーのブロードキャスターの開発と同時に生まれた現在では、音楽シーンには
不可欠なベース、プレシジョンベース(正確なベース)がレオ・フェンダーと
フェンダースタッフの力により製造されたのである。

 見た目はテレキャスター風だが、スケールは”34インチ”と今のエレクトリックベースの
基本でありこのスケールは40年代よりレオのパートナーであったジョージ・フーラトンの
意見により最終的に決定したと言われております。
 このことからレオは人の意見を聞く耳を持ち、それを形にできる柔軟性を持った人物
であることが分かります。レオは更なる進化を求めてミュージシャン、スタッフの協力に
より次々にこのプレシジョンベースを進化させていきます。

 今回ご紹介する1967年製のようなデザインに変わるのが1957年のことである。
はじめはメイプルネックにゴールドの”アノダイズドピックアップ”であったが、1959年
にはストラト、ジャズマスターなどと同様に、ローズ指板にべっ甲柄のピックガードに
仕様変更されました。指板は1965年まではハカランダ材が使用されてその後は”インディ
アンローズウッド”が採用されました。
 1ボリューム1トーンとシンプルなコントロールは引き手に余計なことを心配させず
弾くことに専念できるストレートなサウンドを生みます。ここでピックアップの
デザインが特殊な1,2弦用3,4弦用と分かれた”スプリットデザイン”になっていることに
気付きます。ここでレオの更なる伝説が発見できます。

 実は2つのピックアップマグネットの向きは片方を上下逆さにしており、これにより
ノイズ対策をしていたのです。この他にはジャズベースのフロントマイク、リヤマイクも
同様にあえてマグネットの向きが逆のものを使用しています。ビンテージ物を
チェックする際、磁石を使いマグネットの向きを確認する方法もあります。

 ピックアップはストラトと同じで60年代後半は”グレーボビン”に変わり、フレットも
少し太めの物が採用され、塗装は1969年よりポリウレタンに変更されますので、今回の
プレシジョンベースは”グレーボビン”でラッカー塗装の、レオがまだフェンダー社に
いた時代の名器であります。
 そしてこのようなエレクトリックベースが大音量で人を感動させるロックミュージックを
支えてきたのですから、1960年代のベースを弾いてどこか懐かしい理由も分かります。
オ〜アメリカン!


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石橋楽器 渋谷店
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shibuya@ishibashi.co.jp





<デューク工藤:プロフィール>
プロフェッサー岸本に師事し今年渋谷店勤務5年目
数々のリジェンダリーを師匠と共に経験。
彼自身のフェイバリットミュージックは60年代から70年代の
ロック、ブルースとサウンド面でもヴィンテージサウンドに精通。
宝物探しのお手伝いを親切丁寧にいたしますので心より御来店
お待ちしております。












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