Ishibashi Mail Magazine Vol.35

湿度管理のお願い

湿度管理のお願い

アコースティックギター、エレキギター、ベースギターなどすべてのギターは湿度管理が必要です。適切な湿度に管理されていないと下記のようなトラブルが発生します。

トラブルチャート1
トラブルチャート2

ギター類に使われる木材のうち、とくに指板に使われる木材にローズ、エボニー(黒檀)、メイプルなどがあります。メイプル以外は塗装しない状態で作られるのが普通です。水分の出入りはBODY部より容易と言えます。多湿時、乾燥時に指板部分が呼吸するように水分を取り込んだり、吐き出したりします。水分が多いときは軟らかく(膨らみ)なり、乾燥時は固く(縮む)なる性質があります。

乾燥がすすむと指板に埋めてあるフレット(金属)よりも体積が小さくなり、指板の横から飛び出してきます。これが『フレットのバリ』です。エボニーなどの固い木材はひび割れる事も有ります。演奏しにくいだけでなく、手を傷める可能性さえあります。この状態にならないように保管方法などに気をつけなければなりません。

また湿度とネックのソリも密接な関係があります。一般的に多湿期に逆ゾリ、乾燥期に順ゾリが発生します。ほとんどのギターはアジャスタブルロッドが装備してあり、ある程度は修整できますが、ポジションによってはアジャスターが効かない場合もあります。まずは反らないようコンデションを管理することが重要です。ローズやエボニー指板の場合は、レモンオイルなどを塗布することで乾燥を防ぐことができます。

アコースティックギターはエレキギターやベースギターよりも、さらに注意しなければなりません。木の鳴りを生かすために、薄い板や単板を多用しますのでBODY全体に影響が出ます。特にマーチンやギブソンなど表板に単板を採用している機種は、常にケースに保管して適切な湿度で管理する必要があります。乾燥しますと、TOP落ち、TOP板割れ、ブリッジ剥がれ、ブレイシング剥がれなどが発生します。修理は大変高額で時間もかかります。また保証期間中においても乾燥が原因となったトラブルは保証対象外になります。個々、住宅環境、保管環境は違いますので、プレイヤーご自身で湿度管理してしただくしかないのです。

対策としてはケースの中に入れる湿度調整剤が効果的です。適度な湿度になるように水分を吸排します。他にもサウンドホールからBODY内に加湿剤をつるして防乾するタイプや、弦に挟み込むタイプなど色々種類がありますので、プレイヤーの使用頻度やスタイルで使い分けることが重要です。使用する時は説明書をよく読み、正しい使い方をしてください。ギターの為に行った対策で、ボディーが変色したり壊れたりすることがあります。(ケース用の調湿剤をギターのBODY内に入れているケースが多々ありますが、それは間違いです。)

塗装も湿度の影響を受けます。とくに高級ギターに採用される『ラッカー塗装』は非常にデリケートです。乾燥しすぎると生地の木目が浮き出してきて、放置しておくと最後は割れてしまいます。使用後はシリコンクロスなどで汚れをとり、ケースに保管しましょう。

エレキギター等でよく使われるポリウレタン塗装は、湿度変化に強く固いため影響は受けづらいものの、収縮率の違う材との接合部などでひび割れなどが発生することもあります。塗装の種類に関係なく、冬季は特に気をつけましょう。

ギターにとって最適な湿度は50%、温度25度といわれます。50%とは相対湿度であり、温度が25度のとき、空気中に50%の水蒸気があるということを意味します。以下は日本の平均湿度の表になります。

平成16年度 年間平均湿度&温度
平成16年度 年間平均湿度&温度

四季があり、気温は0度〜35度、湿度は10%台〜90%まで変化する日本では1年中湿度管理する必要があります。

乾燥を気にしすぎて、ケースに入れっぱなしにしておくのは本末転倒です。週に1回はケースから出して弾いてあげてください。ギターの鳴りも良くなりますし、かりにトラブルの兆候が出ていたら早期発見できます。
そのときは大事に至る前に、楽器店にご相談ください。

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