Ishibashi Mail Magazine Vol.34

TENSAW / TENSAW


  日本のTHE WHOとも一部では呼ばれていた破天荒なバンド、それがTENSAWである。80年初頭の
デビューであるが、結成は77年ころといわれている。70年代後期に存在したロックバンド・コン
テスト「East West」の決勝大会にも入賞するなど、当時から話題にのぼっていたバンドである。

 私とこのバンドとの接点は意外と近いところにあった。当時、このバンドのローディーを私の
友人がやっており、渋谷の屋根裏等にも見に行っていた。大きな会場で見たのは80年に
行われた”晴海オールナイトロックフェス”だったと思う。とにかく派手なステージングも
凄かったが、ギターのタケこと横内健亨のギター・サウンドは当時とても刺激的な音色で
あった。

 よくライブにはCHARが飛び入りで参加しており、当時ジョニー・ルイス&チャーのツアーには
よくこのTENSAWがオープニングアクトで参加していた。この辺からもサウンド面にチャー・サウ
ンドに似たものも感じる。アルバムであるがこのファースト・アルバムを含め、2枚目のアルバム
「Delicate Motion」の2枚しか発売されていない。サウンド面では確実にこのファーストの方が
泥臭いロックを展開していると私は感じる。
 特に”タクシー・ドライバー”という曲は、私の車のカーステレオではヘビーローテーション
で流れていた曲である。当然、この時代であるからカセットテープなのですが・・・

 そして、82年にはアルバム「エスケイプ」で大ヒットとなったジャーニーの日本公演、オープ
ニングアクトとして抜擢され、多数のロックファンにその雄姿を見せつけた。そして、このジャー
ニーのギターリスト、ニール・ショーンが作曲した「ALL FOR YOU」と言う曲までリリースするほど
バンドの勢いは止まらない状態であった。しかし、この年の暮れのギグを最後に活動に終止符を
打ってしまったのだ。

 その後、88年にチャーのライブのサポートとして一夜限りの再結成をし、メンバーはそれぞれの
活動へと移って行く。ギターのタケは当時、レベッカに在籍していたドラマー、小田原豊とともに
”TRAUMA”なるバンドを結成し、アルバムも残している。また、ベースのミチアキは当時活躍して
いた本田恭章とともにTOYSを結成しているが、90年初頭に入り再び再結成し、1年ほどでまたまた
活動停止。まったくど〜なっているのかわからんのです。

 今回も記事を書く為に、自身のCDラックを除いているとこのアルバムのインデックスが目に
入って、これは伝えなくはならないと思っていた。そしてWEBで調べてみると昨年にまたまたまた
再結成していたではないか!実にビックリであったが、今もなおあのテンションならば是非見て
みたいバンドでもある。とにかくこの1枚を聞け!


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