Ishibashi Mail Magazine Vol.30

Chapter:24 PRESSURE POINTS-LIVE IN CONCERT / CAMEL

  あまり日本では有名ではないが、CAMELはれっきとしたイギリスのプログレバンドなのである。
このバンドも本国ではYESやEL&Pと同様に人気のあるバンドであるが、日本ではいまいちパッとしない
のは、スター性のあるメンバーが居ないのがひとつの原因かもしれない。

 この映像はそのCAMELの末期の映像で、84年のヨーロッパ・ツアーの模様を収めてある。そしてナント
言ってもスゴイところはロンドン・ハマースミス・オデオンで29回も連続で公演したことである。
ひとつのところで1ヶ月近く公演をするという、ミュージカル並みのロングランである。収録はその
中日である84年5月11日に行われている。そして特筆すべき点はこのコンサートにキング・クリムゾン
でもサックスを吹いているメル・コリンズが参加していること。そしてこのツアーが解散ツアーと
なってしまったところだ。

 CAMELの中心人物はギターのアンディー・ラティマー。カルロス・サンタナ同様、顔でギターを弾く
パターンの人で、常に半開きの口で恍惚の表情でプレイする(変な響きでスイマセン)そして、ギター
・トーンも独特で、デイブ・ギルモアと同じ”一発で誰が弾いているか”わかるサウンドである。
72年にバンド結成当時からジャズっぽいアレンジからなる曲調に、クラシカルな部分を調和させた
様なサウンドで名盤を数々世に送り出している。その中でも私の好きな作品はファースト・アルバム
でもある「CAMEL」と「SNOW GOOSE」である。こちらはどちらも聞いていただきたい!

 そしてこの映像の中でアンディーが弾いているギターがレスポールである。正しくは80年初頭に発売
されたレスポール80(エイティー)で、トラ目全開の”80/ELITE”である。ストラトも映像の中で
70年中期の物を使用しているが、やはりアンディーのイメージはレスポールなのである。そしてこの
レスポールから出るサウンドが、先ほども語ったアンディー・サウンドなのである。他にも今となっては
非常に価値の上がっている機材がたくさん登場する。日本でも80年代、オフコースの小田和正氏が使用
して話題になったSequential Circuits社のProphet-5やテリー・ボジオも愛用していたRemo社のロート・
タムなど探しているときりが無いのだ。
 ただこの映像の残念なところは、MTV時代を意識してか曲間や曲中によくわからんストーリーの演劇
まがいの映像が飛び込んでくる。これがまた臭くて当時の時代背景がよくわかるのだが、実に余分なので
ある。単純にライブのみを映してくれればいいのにと思うのは私だけではないと思う。

 私がCAMELを初めて見たのは79年の初来日公演。高校時代にこのバンドを知っているものが自分の回りに
一人も居なく、私一人で見に行ったのを覚えている。解散までの間にたしかこの公演をあわせ、2回しか
来日していないと思う。それくらい貴重なバンドでもあった。ただ、CAMEL=アンディー・ラティマーで
あり、解散してもアンディーが活動を再開すれば再結成なのである。90年前半に再び活動をはじめて
92年に再び日本の地を踏んでおり、この時の会場は渋谷のクラブ・クワトロと小さい会場であった。

 2000年に入りCAMELはまだ活動していましたが、2002年に発売したアルバム「A Nod And A Wink」を
最後に再び活動をやめているようです。そして01年にはこの映像にも参加していたオルガン・プレイヤー
ピート・バーデンスが他界しています。最近のプログレバンドの復活が目立つ中、CAMELの復活も
期待したいものである。がんばれアンディ・ラティマー!


[PRESSURE POINTS-LIVE IN CONCERT / CAMEL]

1.IN THE ARMS OF WALTZING FRAULEINS
2.PRESSURE POINTS
3.REFUGEE
4.VOPO'S
5.STATIONARY TRAVELLER
6.WEST BERLIN
7.FINGERTIPS
8.SASQUATCH
9.WAIT
10.CLOAK AND DAGGER MAN
11.LONG GOODBYES
12.RHAYADER-RHAYADER GOES TO TOWN
13.LADY FANTASY
14.IN THE ARMS OF WALTZING FRAULEINS

Andy Latimer (Gt,Vo)
Colin Bass (Ba,Vo)
Ton Scherpenzeel (Key)
Chris Rainbow (Vo,Key)
Paul Burgess (Dr,Prc)

(Guest)
Mel Collins (Sax)
Pete Bardens (Org)
Richie Close (Key)


LD盤ジャケット。当然廃盤

93年発売の豪華ベスト盤

79年の来日公演チケット。A席だけど激安!


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