Ishibashi Mail Magazine Vol.24

Chapter:18 X-TREME / KISS

ストーンズ、フー、サバスなど現役のバンドは数多くいるが、ここまで昔にこだわって徹しているバンド
がKISS意外にいるだろうか。ジーンは今年何歳になるんだ?しかし、相変わらずステージで”オゥイェー”
と言っているそんなロックンロール・バンドが私は非常に好きである。

 この映像はそのKISSのヒストリービデオともいえるわかりやすい映像である。92年に発売された映像の
為、70年代の映像は数多くは収録されていないが、ジーンとポールが解りやすくVJも勤めてくれている
ので、KISSを知らない人(いるの?)にも非常にわかりやすい初級編であることは間違いない。

 前半には75年頃の映像が多数収録されおり、まだ衣装にもさほど手間をかけていないのが解ったりして
なかなか面白いのである。そして、前半の山場はやはり日本公演のことを触れている。あの当時、KISSは
ひとつの社会現象ともなっており、ほとんどの音楽雑誌は別冊を出したり特集を組んだりと、ありと
あらゆるところでKISSの表出がされていた。私が初めてKISSを見たのが77年の初来日の時で、とにかく
スゴイバンドがアメリカからやってくると中学で騒がれ、公演は高校に入学する春の事であった。

 武道館に到着すると私の席はステージ裏の北西スタンド。今でこそココには客は入れないが、この時代
は確実に北西、北東の両スタンドに客を入れていた。前座のバンドも私の大好きな”BOW WOW”で、
しっかりと盛り上げてくれ完全に前座の領域を超えていた。
 そして遂にKISSの登場! 第一印象は顔が熱い!
この当時火柱が上がるコンサートなど日本にはまだなく、なれていない私はとにかく顔が熱かったのを
記憶しているのだ。

 そして、憧れのポール・スタンレーが持っているのがギブソンのフライングV。しかも、ピックアップは
一個にしてあり、なんとミラー・ピックガードにしてある。こんなカッコいいギターがあるのだろうかと
当時は感心した。ポールは無類のギブソン好きである。初期はファイヤーバード、エクスプローラーなど
を多用しており、あのギターを持ってあんなに動き回れるのは、あのロンドンブーツに特殊な仕掛けが
してあるとホントに信じていた。そのポールは70年後期にはあのアイバニーズ(この当時はイバニーズ)の
アイスマン(PS-10)を持つのだ。このギターがまたとてつもなくカッコよく、当時私の友人でもある
ANTHEMの柴田氏が大学時代に結成していたバンド”BLACK HOLE"のギターの”リオ”がこのPS-10を
使っていたのだ。うらやましくてよく弾かせてもらっていた。(余談でした)

 そしてこの映像のなかのもうひとつ面白い点は、脱退したメンバーのことなども赤裸々に語っている
事。加えて、エリック・カーが亡くなってバンドの勢いも無くなっていってしまう有様も語っている
ところも興味深い。この映像が発売になったあとすぐにKISSは一時期眠りに付く。そして90年後半に
電撃的にメイクをした姿で帰ってくるのだ。再活動したKISSを見たのは2003年に入ってからである。
98年にドームでの公演は仕事で見にいけなかった。その代わりといっては何だけど、知り合いの
レコード会社の方から、このときのメンバー(オリジナル4人)のサインを頂いたのである。それは
今でも家宝である。そして2003年に来日したときにはナント、この時私が在籍していた御茶ノ水のお店に
あのポールが子供を連れてやってきたのである。最初はメイクをしていないので半信半疑であったが
声をかけると気さくに話してくれて、おまけにキッス・フィギュアにサインまでしてくれた。
 そのとき、ピーター・クリスのシグネチャー・スティックを見て、子供と二人で笑い転げていたのが
非常に印象に残っています。

 先日、元イエローモンキーの広瀬氏のイベントを行い、打ち上げで広瀬氏とKISS談義に花が咲いた。
彼はあんなにKISS好きなのであるが、70年代の来日公演を見ていないのだ。そんな話を私にしながら
楽しそうにコンサートの話をする私に中指を立てたのは言うまでも無い。でも飲んでいてもそんなに
熱く語ってしまうのがKISSの魅力なのではないだろうか。


[X-TREME / KISS]

曲目はヒストリーVTRのため省かせて頂きます。

Paul Stanley (Gt,Vol)
Gene Simmons (Ba,Vol)
Ace Frehley (Gt,Vol)
Peter Criss (Dr,Vol)
Eric Carr (Dr)
Vinnie Vincent (Gt)
Mark St.John (Gt)
Bruce Kulick (Gt)
Eric Singer (Dr)





77年(上)、78年(下)の来日公演チケット

家宝のサイン!当然、ドラムはピーター、ギターはエースです。

最近、オフィシャルショップで売っている机。欲しいッ!


Copyright (C) 2007 Ishibashi Music Corporation. All Rights Reserved.