Ishibashi Mail Magazine Vol.23

MOB RULES / BLACK SABBATH


 オジー・オズボーン脱退後に参加したボーカリスト、ロニー・ジェイムス・ディオが
加入後、2作めの本アルバム。生粋のサバス・ファンにとってはオジーが居ないサバスは
サバスでないという方もいると思う。ただ、それだけでは片付けられないのが、この
アルバム「MOB RULES」だ!

 ロニーが加入しての1作め、「HEAVEN AND HELL」も確かに名盤である。しかし、この
アルバムからドラマーがオリジナルメンバーでもあったビル・ワードからカーマイン・
アピスの弟でもあるヴィニー・アピスに変更になっている。このドラマーが非常に良い!
独特の前乗りのフレーズは非常に疾走感をあおる。その雰囲気が良く現われているのが
5曲目に収録されているアルバムタイトルでもある”The Mob Rules”である。
また、ハードロックの典型的なパターンが収められているのがアナログ盤でのB面の
1曲目(CDでは⑥)、"County Girl"から最後の”Over And Over"までの展開である。
ミディアムテンポからハイスピードになり、そして最後にヘビー・スローになるという
私の最も好きなパターンである。

 前作も確かにこのパターンであるが、やはりドラムが変わるだけで音のしまり方が
全く変わってしまう。ビル・ワードがダメというのではなく、この声にはヴィニー・
アピスがあっていると思う。
 そしてこのメンツで80年に来日している。私は日本青年館公演を見に行っているが
他の公演ではトニー・アイオミの体調不良が原因で、公演がフルに行なわれなかった
と言われる来日公演であった。(幸い私が見に行った公演はフルステージであった)
 この公演でも感じた事はやはり強力なリズム隊で、ギーザー・バトラーのブリブリな
ベースに、超前乗りのヴィニーのドラムが際立っていた。

 よくあるヘビー・バンドのパターンであるがこのメンバーも来日後、直ぐにロニーが
脱退し、サバスは俗に言う低迷期に入る。イアン・ギランが加入したサバスはもはや
サバスではなく、少々呆れてしまう部分もあった。ハードロックファンからしたら
イアン・ギランは”Paranoid”を唄ってはいけないし、トニー・アイオミは”Smoke On
The Water"を弾いてはいけないのである。

 そして脱退後、ロニーはヴィニー・アピスと共に”DIO”へと加入していき、90年代に
入ってからこのメンツで1枚のアルバムのみ再結成され、また闇に消えていった。
しかし、2007年になってこのメンツで再結成し、ツアーに出ている。バンド名は権利の
問題なのか”HEAVEN AND HELL”になって新しい音源も出てきた。しかも、うれしい事に
今年のラウド・パーク07にヘッドライナーとして参加が決定した。オヤジ・ハードロック
・ファンとしては見に行きたいが・・・ とにかくこの1枚を聞け!


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