Ishibashi Mail Magazine Vol.22

FENDER THINLINE 1971年製

Fホールのホローボディーに大きめなピックガードが印象的なTHINLINE 1971年製。
50年代に発売されたテレキャスターにフェンダー社は新たなラインとして、1968年に
画期的なホローボディスタイルのシンラインテレキャスターを発表する。

 アルダーボディとアッシュボディーの2バージョンがあり、今回ご紹介する71年製
はマホガニーボディのタイプである。初めてナチュラルカラーを採用したモデルで、
マホガニーの杢目が活かされ、洗練されたルックスは今でも復刻モデルとして
生産される人気モデルである。
 1972年にはギブソンのハムバッカーピックアップの開発者セスラバーがフェンダー
デザインで新たに製作したハムバッカーピックアップを2つ搭載しネックにはマイクロ
ティルトネックを採用するなど大きくモデルチェンジする。

 シンラインは同じ時期に発売されたオールローズテレキャスターとボディ内部は
同じルーティング加工されているが、オールローズはサイドセンター貼り合わせに
対し、シンラインはボディーバックに蓋をする形でマホガニー材を貼っている。
 発売当初はラッカー塗装でしたが1968年後半にはネックにポリエステル塗装を
採用し、変色せず強度が高いので保存状態がよいのが特徴である。

 但しヘッドの表面はデーカルを貼り終えた後にラッカーを保護のため吹いている。
ハードウェアー面でも変更があり、それまでのクルーソンペグにかわりフォレスト・
ホワイトのアイデアによるFチューナーが採用される。
 これは65年発売のエレクトリック12等に使用され構造は、ギアカバー以外のパーツ
が左右兼用という効率のよりデザインであり、その理由で12弦ギターに採用され始めた
のだと思われる。もう一つはブリッジサドルに変更があり、それまでのネジ溝が
切られたスパイラルサドルから、弦がのる部分だけ溝切り加工が施されたステンレス
サドルを採用している。

 65年以降のCBS時代はより効率的で機能的なギター製作を考えていた時期で、それは
塗装、パーツ、製造方法に多く見受けられる。
 フェンダー社からCBSに移行後もレオ・フェンダーは1970年までコンサルタントとして
在籍しており、シンラインテレキャスターはレオ・フェンダーのもと最後に生まれた
名器である。Oh〜アメリカン!


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石橋楽器 渋谷店
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shibuya@ishibashi.co.jp





<デューク工藤:プロフィール>
プロフェッサー岸本に師事し今年渋谷店勤務5年目
数々のリジェンダリーを師匠と共に経験。
彼自身のフェイバリットミュージックは60年代から70年代の
ロック、ブルースとサウンド面でもヴィンテージサウンドに精通。
宝物探しのお手伝いを親切丁寧にいたしますので心より御来店
お待ちしております。












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