やはりそろそろこの映像に触れなければなりません。私のお気に入りの映像の5本の指に入る名作が このフロイドの「LIVE AT POMPEII」です。72年に来日した同時期に収められた映像で、単なるライブ ではなく、後に発売されることとなる”The Dark Side Of The Moon”のレコーディング風景等が 同時収録されている。
収録場所はイタリアにあるポンペイ遺跡の巨大円形劇場。アリーナ部分に機材をセットアップし、 真昼間からの演奏となる。この当時の映像技術としては非常に珍しいアングルからの撮影や音響に まずはビックリというところである。そして一曲目の”Echoes Part 1”へと突入していくのである。 私がこの映像を始めてみたのは中学生の頃、NHKの「ヤングミュージックショー」と言う番組で 真昼間にやっていたのを見た記憶がある。この頃良く聞いていた音楽がプログレであったことから、 中学生にしては非常に生意気なヤツであったに違いない。
その時代にはこの様な凄い映像が自宅で、しかもこんなに良い音で見れるなど思いもしなかったと 感じる。DVD版はそれくらいイイ音にリミックスされていると思うのである。そしてこの映像の中で ギターのデイブ・ギルモアが使用している機材がシンプルだけど凄い。まず、ギターはこの当時の トレードマークともいえる70年初期のストラトキャスターのブラック/メイプルである。 そしてエフェクターはダラス・アルビターのファズフェイス、VOXのV-846、デュアルモンド社の ヴォリュームペダル、そしてビンソン社のテープエコーである。ファズフェイスはこの当時、ギルモア はよくフェズレベルをフルにして使っていたと言われている。そしてアンプはおなじみのハイワットの DR-103をWEMのキャビでならしている。70年代初期にはWEM社(Watkins Electric Musicの略)のアンプは グランド・ファンク等、数多くのアーティストに使われていたが、70年中期に入るとマーシャル等に 勢いを奪われてしまう。しかし、ギルモアは現在でもこのキャビを使用しているようだ。 当然ながら現在はどの機材もヴィンテージ市場では、とんでもない価格がつけられている。 (機材紹介がギルモアのみでスイマセン!)
映像の中でこの機材を巧みに操るギルモアの姿が度々見られる。特にギターソロ部で、地べたに座り こみ、ビンソンのテープエコーを動かしながらジミヘンばりにギターをかき鳴らすシーンは思わず、 見入ってしまう程だ。どうでもイイ事だが、このシーンでギルモアはレイバンのサングラスをかけている。 これに物凄く憧れ、一時期似合わないのに私もかけていたことがある。(笑)
昨年にフロイドは94年のツアーのDVDを発売している。(メルマガ・10/11号参照)この映像も最高 ではあるが、ギミックなしの演奏がこの映像には見られる。歴史的価値としては圧倒的に上である事は 間違いない。今年に入ってからギルモアの活動は活発である。ピンク・フロイドの再結成はあり得ない と断言しているが、自身のツアーではフロイドの曲を全開に演奏している。マジで日本には来て もらえないのであろうか。そしてギルモアが現在使用しているケーブルは”エヴィデンス・オーディオ” であることも付け加えておこう。
[LIVE AT POMPEII / PINK FLOYD]
1.Introduction 2.Echoes Part 1 3.Interview Part 1 4.Careful With That Axe Eugene 5.A Saucerful Of Secrets 6.Interview Part 2 (Us And Them) 7.One Of These Day 8.Set The Controls For The Heart Of The Sun 9.Interview Part 3 (Brain Damage) 10.Mademoiselle Nobs 11.Echoes Part 2
David Gilmour (G,Vo) Roger Waters (B,Vo) Richard Wright (Key) Nick Mason (Dr)
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LDジャケットはDVDよりアーティスティック
DVDジャケット
アメリカではこんな雑誌まで出版させるほどカリスマ!
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