Ishibashi Mail Magazine Vol.

Fender 1968年 TELECASTER BASS PAISLEY RED

1968年にオリジナルプレシジョンベースの復刻版としてTELECASTER BASSが発表された。
大まかな大部分は当時の仕様で、裏通しの弦に2つのサドルからなるブリッジが使用され
、ピックガードのデザインやピックアップカバー、ヘッドストックの形状、コントロール、
スラブのボディーなどの部分も継承。マイナーチェンジ部分は、ピックガードが1プライ
で黒のベークライトからプラスティックの白へ、ネックは1ピースではなく貼りメイプル
指板で発表され、1ピースネックとなるのは60年代の後半となってからとなる。
ピックアップは、50年代のシングルコイルを再現した者が取り付けられたピックガードは、
当初1プライの合成樹脂が使用されていたが、直ぐに3プライへと変更されたが、ピック
ガード側面のエッジ加工は無く1プライの外見をうけついでいた。

テレキャスターベースのバリエーションとして、ペイズリーレッドが登場。
特徴的なボディーの柄は当時の建材である壁紙がそのまましようされ、ペイズリー紙がボディー
の表と裏に貼られておりサイドには紙と同じ色合いのピンクがサンバーストの要領で
フィ二ッシュされた。サイドのピンクフィニッシュはパール系の派手な塗料が使用されたが、
当時のホットロッド(車)に使用されていたカラーを使用(フェンダー社は車のレアカラーを
使用していた事でも有名)し、保護のために厚くクリアコートがフィニッシュされていた。
また、ピックアップの回りにもピックアップキャビティーを隠すために同じピンクが
フィニッシュされていた。

30年近く立った今では、縮の少ないペイズリー紙と厚塗りのトップコートでの伸縮率の
違いから、殆どのペイズリーベースは表面の塗装が割れているものを多く見かける
(ウェザーチェックとして)。

68年当時は、CBSの運営がひどく非難された状況ではあるが、常に最新のアイデアが生まれ、
改良と開発は継続して続けられていた。製品管理も物によりますがしっかりと行われ、
今回ご紹介するペイズリーベースは、ネック、ピックアップ、アッセンブリーに至るまで
きっちりと製造年の分かるシリアルナンバーが添付されている。

1967年にサンフランシスコで起こったムーブメントである"サマーオブラブ"の影響から
時代のムードをとらえたサイケデリックなこの仕様は、ペイズリーレッドと別バージョン
であるブルーフラワーも用意され、テレキャスターベースの他にテレキャスターも製作された。
コレクターの的となっているだけではなく、現在ではFENDER JAPANやFENDER CUSTOMSHOPから
忠実に復刻されており、元マスタービルダーのフレッドスチュアートも製作を得意としていた。

まさにレジェンダリ〜!

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石橋楽器 渋谷店
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shibuya@ishibashi.co.jp


<プロフェッサー岸本:プロフィール>
平成8年入社。現渋谷店のサブマネージャー。
ヴェンテージギターに関しての知識はイシバシでNo.1!
プロミュージシャンもお得意様にとても多く、彼のマインドに惚れ込み
多数お店に通っていただいている。
また、英語力もまずまずの為、直接ギター工場のマスター・ビルダーと
話し合いする事も。彼自身のフェイバリット・ミュージックは
カントリーロック、ブルーグラス等。
「親切丁寧な接客」をモットーに、ヴィンテージギター、高額ギターの
ご相談等、いつでも渋谷店にてお待ちしております。

(お知らせ)長い間続けてきたこのコーナーも今回で最終回となります。次回からはアコギの歴史を語る
「ナチュラル・サウンド・ヒストリー」が始まります。ご期待ください。













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