Ishibashi Mail Magazine Vol.7 2006年9月20日発行







好評発売中!
2枚組ベストアルバム
「NEXT GATE 2006
TAKAKO & THE CRAZY BOYS」


「みんなに知って欲しいこと」/ 「CHANCE!(2006 Happy Step Version)」


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白井貴子ロックコラム「ROCK TONIGHT」 VOL.6



「大人のロック」



お元気ですか?

9月13日、めでたく私のデビュー25周年アニバーサリーアルバムTAKAKO & THE CRAZY

BOYS「NEXT GATE 2006」がリリースされました。今、私のホームページのBBSには、

続々と感想のメッセージが寄せられています。

石橋楽器のHPにもお便りをくれる方がいると聞いてます!本当にうれしいです。

どうもありがとうございます!



 全29曲、すべて80年代の曲ですが、2006年の私達のエネルギーをフンダンに盛り込ん

で作りました。今回、特に「CHANCE」とまた18年の時を経てやっと陽の目を浴びた曲

「Lucky Someday」。曲は勿論ですがライナーノーツも是非、読んでもらいたい一曲で、

今だからこそ言えた爆弾発言(?)もいっぱいです。

 パソコンからアルバムのライナー原稿をそっくりそのままコピーして張り付ければ、

ここで即、読んでもらえるけど、せっかくアルバム買ってくれた皆さんに申し訳ない

からやめておきますね。是非、アルバムをGetして”見て・聞いて”ください!



今回はアルバムにも書ききれなかったお話をします。

最近、「大人のロック」とか、「大人買い!」とか「オッサン!」「おじさんバンド」

という言葉をよく耳にします。ロックも一昔前のティーンエイジだけのものではなく、

私達の合言葉のように「We Love Rock'n Roll」に世界的規模で音楽も成長してきて

います。そんな時代の下での「オヤジロック」ですが、これを女に置き換えるとズバリ

!「ババアロック!」になる。これはどー考えても不公平だよね〜。

「オヤジ」も「オッサン!」って言葉もどこか愛嬌があるというか言葉に愛情が感じら

れるけど、「ババア!」ってイメージはまったく正反対です。

そんなとこでも年を重ねて女が好きなことをやるのはもの凄くリスキーに思えます。

でも、実はそんな私の「オバサン」としての自覚は、すでに88年から始まっていました。

ちょうど「野生のマーガレット」に出会う頃。それまでの過酷な活動で、心身共にボロ

ボロになっていた頃、私はすでに「老い」を感じ始めていました。28歳の頃でした。



 今、あの頃の写真を見ると見た目には「ピチピチルンルン」でとてもそんなことを

考える必要はなかったと思えます。でも迫り来る30という数字や、次から次へと若い

女の子が「ロックンロール」を掲げてデビューする現状に、私は当時、自分で止める

ことのできない「老い」を感じていました。あの頃すでにエネルギーを使い果たして

いたというのもとても大きかった。とにかく「もう決して若い頃には戻れない」という

白日の下での結論は明らかでした。

 そんな中、だんだんと私はそれまでステージで天高く上げていた拳が挙げられなく

なっていきました。なぜって「子どもの純粋な心」を20代になっても掲げるように、

それを武器に戦っていた私のロックが「もうこれからは通用しない!」と感じたからです。

30歳になれば否が応でも「大人」として見られる。言葉は悪いけど、そでまで一番の

自分の「敵」だった場所に、自分がイヤでも行かなければならない!

またもう一方で、一人の女として30歳になるまでには、そんな「若者の反骨精神」を全て

受け入れられるような自分になっていたい!という欲望がありました。



 こんな気持ち分かってもらえますか?

とにかく私は「大人として、もっともっと学ばなければならない!」それは到底「音楽」

の世界だけにいたらダメだと確信できる、そんな小さなことでは補えない人間としての

大きな「進化欲」でした。こんな言い方すると大げさですけど、早い話、「子供っぽい

自分」にもうアキアキしてた。30代になる時には、新たな「大人としての自分」のスター

トラインに立っていたかったんです。



 だから私は大人の自分を前向きに迎えるためにクレイジーボーイズをやめて「ロンドン」

へ行きました。勿論まだまだ山のようにその旅への理由はあります。でもとにかく「人に、

自分に、悪態つくだけの子どもの心」と決別し、もっと大きな「人として誇れる、素晴ら

しい目標」を見つけるために旅に出ました。

 それから18年間で私はお陰様で随分と自分でも納得のゆく「素晴らしい目標」を見つけ

ました。20代の終わり、危うく行く先を見失い「ロック」を捨てかけた私がアフリカから

ニューオリンズでロックのルーツに触れ、また日本各地への旅では普遍的な失くしては

ならない「人の心」に触れたお陰で「次なる大切な目的」、言うならば「大人のロック」

を見つけたんです。



そして今回、25周年を前に80年代のスタッフが集合してくれて、思わぬ「TAKAKO & THE

CRAZY BOYS」の復活劇が巻き起こりました。この勢いはどう見ても今や私だけの、白井貴子

だけの25周年ではないと感じます。

私からすると、まるで「ロックの神様」が私のそんな「準備が整った心」を見通すかの

ように「貴子!新しい時代のためにその心をみんなのために燃やせ!」と引っ張り出された

ように思えます。運命というのは本当にあるのかも?と最近ちょっと怖いくらいです。

「TAKAKO & THE CRAZY BOYS」の復活は、今30代40代の人に「あの日、あの若い頃、ひたすら

ロックに明け暮れた自分はいったい何者だったのか?」という「真実の輝き」を、再度

見つけに!探しにゆく。きっと「みんなのロックの25周年」なんだと思うようになりました。



 「あの日のロックミュージックの中に、確かな、確固たる自分がいる!」その大切な

「自分の原石」への旅の、私はもしかしたら「ロックツアーガイド」なのかもしれません。

「ハイ!こっちが幸せですよ〜!」「気おつけて!」”旗”を楽しい、そして正しい方向

へ向けなくてはいけません。責任重大だな〜。でも、 18年かけて実地訓練を積んできた

私です。

 地球のソーラーエネルギーを目いっぱい吸い込んで生きたたくましく、男らしい!?

この私の18年!ど−うぞ!安心して白井貴子についてきてください!(笑)

「ロックンロールエンジェルツアー」の始まりでーす!



「こちらに見えますのが、え〜人間のルーツ、アフリカです!」

「こちらが、その後アメリカに運ばれ、喜びと悲しみ、ジャズとブルースとカントリーの

混血、ロックンロールです!」ではここで一曲

「みんなに知って欲しいこと〜!エルビス!」なーんちゃって〜!



ただいま、25周年記念ライブ[NEXT GATE 2006]のリハーサル中です。

みんな凄くいい感じ!ライブで会いましょうね!



                         TAKAKO SHIRAI




只今、リハーサル中(9月19日夜)


ギターのホンチとナンさん(9月19日夜)

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