Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


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TRANS EUROPE EXPRESS / KRAFTWERK


 元祖テクノ・ポップ、ジャーマン・プログレッシブの雄、クラフトワークが77年に
発表した通算6枚目に当たるこのアルバム。系統としてはYMOの原型になったと言っても
過言ではないエレクトリック・ミュージックの基本である。

 このバンド(バンドなのかな〜?)の結成は70年前半で、74年に発売したアルバム
「AUTOBAHN」で全世界に名をとどろかせた。私的には「AUTOBAHN」より圧倒的にこちら
のアルバムのほうが聞きやすい。プログレでも比較的フロイドやクリムゾンが好きな
私であるが、このアルバムは異色で明らかに前記のバンドには無いカラーを持っている。
ジャケットからしても”サンダーバード"の主人公のような絵で書かれているし、
メンバー構成も非常に変わっている。

 中心人物はラルフ・ハッターとフローリアン・シュナイダーといかにもドイツの方
と言うような名前の4人組であるが、楽器のパートも非常に変わっている。この2名は
”エレクトロニクス”というパートで、他の2名は”エレクトロニック・パーカッション”
という肩書きになっている。ドラムとキーボードという形ではないのだ。
よって楽曲の全般にわたって言えることは、単調なメロディーの繰り返しが多いのだが
この繰り返しがトランス状態を生み、聞いているうちになかなかヤミツキになるのだ。
曲中にはイギー・ポップやデビッド・ボウイといった名前も出てくるので、良く聞いて
いると大変面白い。

 このバンドが初めてに日本に来たのは81年で、中野サンプラザに見に行った。あまり
よく覚えていないが全員が赤い上着に黒いズボンで統一されており、手のひらサイズの
キーボードをMCも無しに弾きまくっていたのだけは覚えている。またこの時代、正に
日本は超が付くほどのYMOブームで会場は皆、テクノカット(当時流行っていた髪形)で
埋め尽くされていたのも物凄かった。

 クラフトワークは現在も活動を続けており、この間2枚組のライブアルバムを発売して
いる。未だにMC無しでライブを続けているのかは定かでないが、81年以降も何度か日本に
来日をしている。プログレ系のバンドはよくメンバーチェンジを繰り返し、解散して
しまうパターンが多いが、このバンドは30年以上も続けている。それだけで凄いのでは
ないだろうか。グルーヴ感という言葉が当てはまるかどうかは解らないが、気分転換には
なるに違いない。とにかくこの1枚を聞け

             by JS