Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


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この一枚を聞け! [MUDDY WATER BLUES -A TRIBUTE TO MUDDY WATERS- / PAUL RODGERS]



 今回ご紹介するアルバムは、元フリー、バッド・カンパニーのヴォーカリスト、PAUL RODGERSが1993年に発売したトリビュートアルバム「MUDDY WATER BULES -A TRIBUTE TO MUDDY WATERS-」です。

 70年代にから80年代にかけ、FREE〜BAD COMPANY〜THE FIRMとスーパーグループを渡り歩いてきた不屈のヴォーカリスト、ポール・ロジャース。そのポールも80年代後半から不毛の時代に突入することになる。その不毛を打ち破ったのが今作品で、ソロ名義では10年ぶり、第2弾のアルバムなのである。

 最大の売りはその参加ミュージシャンになる。基本となるリズムセクションにはツェッペリンのジョン・ボーナムの息子、ジェイゾン・ボーナムがドラム。そしてベースには当時はエルトン・ジョン・バンド等にいたピノ・パラディーノ。お気づきだと思うが、このピノは後にTHE WHOのリユニオン・ツアーやジョン・メイヤー・バンドでの活躍で超有名人となる。

 そしてギタリストを紹介しよう。まずジェフ・ベック。もはや説明不要である。ボン・ジョビのリッチー・サンボラ、ガンズからはスラッシュ、クィーンのブライアン・メイ、YESからはトレヴァー・ラビン、さらにゲイリー・ムーア。ジャーニーからもニール・ショーンが参加し、ストレイ・キャッツのブライアン・セッツァー、ブルースの大御所バディー・ガイも加わっている。そして止めはピンク・フロイドからデイヴィッド・ギルモアが参加するのだ。まさにギタリスト天国!このギタリスト天国の中でまったくヒケをとらないポールのハスキー・ヴォイスは完璧そのモノなのです。

 しかも、ライナーとかを見なくても、誰がどの曲でギターを弾いているのか、ハッキリと解ってしまうのが、たまらなく凄いのです。その中でもデイヴィッド・ギルモアがギターを弾いている”Standing Around Crying”は超ブルージーでギターが泣いているのです。ホントです(笑)基本的にはマディー・ウォータースの名曲をカバーしているのですが、そこはポール。上手くやっています!自身のバンド、FREEでも演奏していた”The Hunter"も収録しています。ちなみにこの曲ではスラッシュがギターを弾いているのです!

 豪華なのはギタリストだけではなく、ピアノでTOTOのデビッド・ペイチなども参加している。現在、このプロジェクトを作ろうとしたらギャラが幾らあっても足りないくらいの大御所ばかり。これもポール・ロジャースの人脈が作り出した凄い技なのではないでしょうか。

 その後、ポールはQUEENと共に活動し、BAD COMPANYをリユニオンさせた。そして今でもあのシャガれた声で”Fire And Water"とかを昔と変わらず歌ってしまうのだから、それは並大抵な努力ではないと思います。そんな親父の叫びを是非聞いていただきたい(笑)とにかくこの1枚を聞け!!
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