Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


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この一枚を聞け! [PARADISE THEATER / STYX]



 今回はSTYXが1981年に発売した通算10枚目、初の全米No.1になったアルバム「パラダイス・シアター」をご紹介いたしましょう。

 STYXの結成は1970年初頭で、デビューアルバムは1972年に発売されている。当初の売り出し方はプログレバンドっぽく売り出したかった様な感じで、このファーストアルバムには13分を超える大作が収録されている。ただ、無類のプログレ好きの私としてはプログレの部類に入れるのはとても抵抗があるのである。

 70年代中盤まではいまいちヒットもなく中堅どころをウロウロしていたが、1977年に発売されたアルバム「THE GRAND ILLUSION」でバンドは転機を迎えることとなる。全米TOP10を果たし、名曲”Come Sail Away”も生まれた。70年中期くらいまでは主にギタリストのトミー・ショーとジャイムズ・ヤングが曲を書いていたが、この「THE GRAND ILLUSION」の頃から、ヴォーカルのデニス・デ・ヤングが曲を書き始めたのが大きな転機を生んだとも言われている。

 バンドのスタイルはそれまでのプログレ色が濃いものから、よりアメリカンロックで、よりポップに仕上がってきた。そしてバンドを更に前進させたのが「PARADISE THEATER」の前作に当たる「CORNERSTONE」である。バンド史上初の全米No.1シングル”BABE”がこのアルバムに収録されている。

 その絶好調のSTYXが前作から2年後の1981年に満を持して発表したのがこの「PARADISE THEATER」である。アルバムの構成は起承転結がはっきりしているコンセプトアルバムで、ロックあり、バラードありと全て楽しませてくれているアルバムなのだ。特に私の好きなのはオープニングの”A.D. 1928”から2曲目の”Rockin' the Paradise”に移るその進行の瞬間! そしてレコードで言うB面4曲目の”Half-Penny, Two-Penny”からラストの”A.D. 1928”リプライズ部に移る瞬間もさらにトリハダものなのです。起承転結が好きな日本人には受け入れられて当然といえるようなアルバムなのです。

 そしてその翌年の82年にSTYXが初来日。当然、この「PARADISE THEATER」が中心のツアーであっと事は言うまでも無い。ラッキーにも武道館公演のアリーナ2列目をゲットすることが出来た私はかぶりつく様に見ていた。ミュージカル仕立てで構成されているステージは小道具ひとつをとっても今までには無い工夫が凝らせれていて、息つく暇も無いくらいのライブだったのを覚えている。この日の模様はNHKが収録し、当時放映していた音楽ライブ番組「ヤング・ミュージック・ショー」で全国放送されたのだ。番組タイトルも今となってはシブイが、この手の番組が日常的に放映されていたのもうらやましい時代である。

 バンドは翌83年に”♪ドモアリガット・ミスタ〜ロバット♪”でおなじみのアルバム、”KILROY WAS HERE”を発売するが人気は下降していく。そして90年に入るとバンドは分裂し、ギターのトミー・ショーに関しては野獣テッド・ニュージェント、ナイトレンジャーのベーシスト、ジャック・ブレイズと共にスーパーバンド、”DAMN YANKEES”を結成する。こちらもアルバム2枚で消滅しているが、どちらのアルバムもサイコーですので聞いてみてくだされ。

 現在ではどのメンバーが残っているのか知らないが、バンドは現在も存在している。昨年はYESのサポートバンドとして全米をツアーしたと聞いている。「PARADISE THEATER」を再現してくれるツアーでも組まれればまた見に行きたいな〜。とにかくこの1枚を聞け!
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