Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


目次に戻る

この一枚を聞け! [CERTIFIED LIVE / DAVE MASON]



 今回は通好みのギタリスト、デイヴ・メイスンが1976年に発売したライブアルバム、「CERTIFIED LIVE」をご紹介しましょう。なぜか邦タイトルは「ライブ〜情念」なのである。なんか、非常にいい時代だったな〜と思ってしまうのは私だけでしょうか(笑)

 デイヴ・メイスンはスティーヴ・ウィンウッド率いる”Traffic”の初代ギタリストでもあるが、2ndアルバム発売後に脱退してしまう。もちろん、ソロ活動を行うためであるがデイヴの経歴は皮肉にもここから開花していくのであった。

 1970年に”Traffic”脱退後、初のソロアルバム「Alone Together」を発売するが、ソロとしての開花には程遠いものがあった。と同時にこの時期メイスンは数多くのアーティストのサポートにも回ってるのが目立つ。しかし、転機は1973年に訪れる。CBSと新たに契約をし、74年には再起をかけたアルバム「Dave Mason」を発表する。この頃からソロ活動でありながら、バンドスタイルを前面に出した演奏が受け入れられ始め、翌75年に発売する「Sprit Coconut」で不動の地位を手に入れるのである。

 そしてこのアルバムはその「Sprit Coconut」を発売直後のライブ演奏であるため、まさに油のノッている状態の演奏なのです。デイヴを聞いたことの無い方でもすんなり聞ける要素がこのアルバムにはあるのです。ギターサウンドはもちろんですが、まずはデイヴの声質です。そのシャガれた甘い声質は非常にブルージーなんです。そして曲ですが、ディランの”All Along the Watchtower ”やイーグルスの”Take It To the Limit ”、最後にはスティーヴ・ウィンウッドの”Gimme Some Lovin' ”までデイヴ・アレンジでやってしまうのです。オリジナルよりカッコいいんじゃないという感じに仕上がっているのですわ。

 また、デイヴの過去のワークスで意外に知られていないのがジミヘンの歴史的アルバム「Electric Ladyland 」への参加です。ファンならそんなこと知っているよって思うかもしれませんが、私自身も知ったのは10年ほど前だったのです。このほかにもストーンズの「Beggars Banquet 」やポール・マッカートニーの「Venus and Mars 」にも参加しているんです。モ〜名盤ばっかりですよね!

 さらに90年代半ばにはFleetwood Macにも在籍していたんです。アルバム「TIME」というのを発売していますので、聞き比べてみても面白いと思いますョ。

 昨年の1月デイブ・メイスンは20年近くぶりに来日を果たしました。仕事で行くことは出来ませんでしたが、頭はツルッパゲ(失礼)になっていたけど、声やギターサウンドは健在だったと友人から聞きました。まだまだ一線でプレイし続けてほしいな〜。とにかくこの1枚を聞け!
バックナンバー
バックナンバー