Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


目次に戻る

LIVE WITHOUT A NET / ANGEL



 このアルバムを初めて入手したのは25〜6年前、発売当時輸入アナログ盤での入手であった
のを覚えている。2枚組みでやたらと写真が多かった。ANGELといわれても知らない人が
殆どであると思うが、70年代後半にKISS,AEROSMITHと一緒に3大バンドといわれ、当時の
音楽紙を良く賑わしていたバンドである。

 しかし、キッスやエアロと大きく違った点は、発信が日本でアメリカでは殆ど売れて
いないバンドであった事。前者の2バンドは男が好むタイプに比べ、エンジェルは美形揃いで
しかも今では考えられないだろうが、衣装は全て白で統一されており、しかもヒラヒラ付!
当時、流行っていたベイシティー・ローラーズと共に好き嫌いの激しいバンドでもあった。

 だがサウンドはかなりの物でキーボードのグレッグ・ギフリアはメロトロンを使い、
キース・エマーソンっぽいキーボード・セッティングでプログレっぽい音作りをハードロック
に混ぜていたりと正に私の好みであった。アルバムを聞いてみるとオーディエンスの声は
明らかに後で重ねた声となっているが、ライブ感は非常に伝わってくる。オープニングを
飾る「TOWER」という曲が非常にカッコいいが、やはりキーボードが主体のバンドだけあって
ギターの出る幕はあまり無いバンドでもある。ギターリストの名前はパンキー・メドウスと
いって、当時の中性的なミュージシャンのみんなが挙って、このパンキーみたいな頭をして
いたのが非常に懐かしい。

 このアルバムが出てほぼ同時にバンドは消失、5枚のアルバムを残して解散している。記憶
では77年くらいに一度来日しており武道館でコンサートまで行っているが、このコンサートが
クセモノで確か数曲やって突然終わってしまい、帰ってしまったというコンサートでであった。
同時期に来日したキッスやエアロは非常に評価の高いコンサートを行ったのに比べ、エンジェル
はかなり酷いレッテルを貼られたのは言うまでも無い。
 後にキーボードのグレッグ・ジェフリア(なぜか途中で名前が変わる)は自らのバンド
「ジェフリア」で来日。LAメタルが流行っていた頃に来日しているが、やはりキーボードが
中心のバンドはあまり受け入れられず、ここでもコンサートは不入りで私は大量に配られた
招待券で見に行ったのを覚えている。こんな、踏んだり蹴ったりのルーツを持つバンドでは
あるが、単純に楽しめるハードロックバンドだと私は思う。

 最近では2000年に一部のメンバーで再結成したという噂もある。あまり期待はしていないが
このライブアルバムとファースト・アルバムの「ANGEL」は聞く価値あると思います。因みに
殆どが廃盤ですので、マメに中古CDショップで探して見てください。

                                by JS