Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


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この一枚を聞け! [LIVE / EAGLES]



 先月号に続きライブアルバムのご紹介です。最近、目新しい新譜がないので昔のライブ盤を聞きあさっているのでついつい多くなってます。ご了承を! 今回のアルバムはEAGLES。100枚近く既に紹介してますが、EAGLESは1度も紹介してませんでした。ファンの方スイマセン。

 ロック史に残る名盤「HOTEL CALIFORNIA」を発売したのが1979年。その翌年の1980年に「THE LONG RUN」を発売し行ったツアーの模様を収めたライブ盤がこの「LIVE」だ。もう少しタイトルにひねりを入れられなかったのかと思うくらいそのままのタイトルである。コレでスタジオ録音だったら怒りますよね。

 70年代初期、リンダ・ロンシュタットのバックバンドとして集められたメンツがそのままEAGLESとなった事は有名だが、当初はカントリー色の濃いバンドであった。オリジナルメンバーであったバーニー・リードンが75年に脱退するまではその音楽性が続けられたが、ギターリストのドン・フェルダーが新加入し、続いて元ジェイムス・ギャングのジョー・ウォルシュが加入した頃からロック色が非常に濃くなった。これがグループをスターダムにのし上げた最大の原因であろうといわれている。

 バンドは「HOTEL CALIFORNIA」発売後、ノリに乗っていてこのライブ盤もそのグルーブが物凄く伝わってくるのだ。音源は76年のツアーでの収録曲もあるが、ほとんどが80年の「THE LONG RUN TOUR」のものである。その緊迫感は一曲目にある。しかも、曲が始まる前がとてもイイ。マニアックな話だが、1曲目の”Hotel California”がはじまる少し前に、ドン・フェルダーのダブルネック・ギターの空ピック(*)の音が”シャカッ、シャカッ!”と聞こえるのです。これが”これからアノ曲が来るぞ!”っという前ぶれにも感じて実にゾクゾクするのです。

 79年に私が初めてEAGLESを武道館で見たのも、このツアーでのEAGLESでした。そのときの感じが正にこの感じなのです。暗転している舞台にダブルネックを持ったドン・フェルダーが表れた時、絶対にアノ曲から始まるという心の高まりは今でも忘れる事が出来ません。

 それからこのアルバムには76年のツアーの音源も収録されている。当然、そのときのベーシストはランディー・マイズナーであるため、彼の非常に綺麗な高い声も聞く事が出来る。現ベーシストでもある、ディモシー・シュミットと聞き比べても面白いのではないでしょうか。

 また、このアルバムのLP盤には当時、大きなポスターが付属されていた。それを部屋に貼っていたことも懐かしく思います。再発の紙ジャケCDにはその辺も忠実に再現され、ミニチュア化されてますのでチェックしてみても面白いと思います。

 今年は7年ぶりに来日も果たし、その雄姿をファンの前に見せてくれました。仕事で見にはいけませんでしたがこのライブCDを聴きまくってました。まだまだ若いモンには負けられないという感じがたまらなく良いですよね。とにかく、この1枚を聞け!

次号は配信100号記念として私のNo.1アルバムを紹介いたします。ご期待下さい。


(*)「空ピック」は弦をミュートして音階を出ないようにパーカッシブに弾く奏法。

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