もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
![]() アトラクションのヴォーカル”エディー・リーダー”はズバ抜けて上手い。 上手いの一言で片付けてはいけないほどの実力である。 バンドの結成は80年中期で、もともとユーリズミックスやアリソン・モイエ のバックボーカルをやっていたエディーだが、フェアグラウンドのもう1人 の中心人物、ギターのマーク・ネヴィンとアメリカにて出会い、活動を開始し アメリカを中心にライブを行っていた。80年後期になり活動の場をイギリス ロンドンに移し、ストリート中心にライブ活動を続けていたところ、地道な 活動がデビューへのきっかけとなった。しかもこのファーストアルバムが リリースされるといきなりイギリスチャートのベスト3入りとなる。 バンドは89年に来日も果たしている。その時のエディーの歌声は完璧な位 アルバムと同じで、軽々と裏声も駆使し非常に気持ちよさそうに歌っていた のが印象的である。この時のライブが確かテレビで放映されており、ブート にて出回っていた気がするので、見つけたら是非見ていただきたい。 バンドの構成も非常に変わっていて、ヴォーカル、ギター、ギタロン(メキ シコの大きいギター)、パーカッションとエレクトリックギターも入って いるが、ほぼアコースティックな構成である。 曲調はポップな売れ線もあれば、ケイジャン・サウンドもあり、スコット ランド民謡もありと多種にわたってプレイされているので聞き応えたっぷり。 歌のみならず、弦楽器の使い方も非常に興味深いものがある。 バンドはこのアルバムを出し、2作目のレコーディングに入る前、1作のみで あっけなく解散してしまう。解散後に未発表曲やライブを収めたアルバムを1枚 発表し、トータルでアルバム1枚、ミニアルバム2枚の短命バンドであった。 エディーは解散後、数回日本にもソロで来日し、その美しい歌声を聞かせて くれている。 エディー・リーダーに影響受けているミュージシャンも多く、日本でも ボーニー・ピンク等が有名である。最近出したボニーもカバー・アルバムでは フェアグラウンドの名曲「PERFECT」が収録されている。日本でも指折りの 歌が上手いと思うボニーならではの選曲といえよう。 最近、歌が上手いといわれている若手ミュージシャンが多くなっているが 是非、本物の上手さを聞いて欲しいと思う。何が違うかが一発で解ると思います。 by JS |