Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


目次に戻る

この一枚を聞け! [A NIGHT TO REMEMBER / CYNDI LAUPER]



 80年代のMTV世代に最も注目されたアーティストの一人、シンディー・ローパーの3作目のアルバム「A NIGHT TO REMEMBER 」を今回は紹介しよう。本来なら激売れの1stや2ndアルバムを紹介しますがそこはこのコーナーなのです。

 シンディーのデビューは遅咲きである。Blue Angelというベタな名前のバンドで80年にデビューするが泣かず飛ばず。しかし、その3年後の1983年に発売されたファーストアルバム「She's So Unusual」が全米で大ヒット。アルバムの中の曲、4曲をトップ10入りさせた女性アーティストとしては初の快挙であった。

 そして第1回のMTVアワード(今は無い)、最優秀女性歌手部門でトップをとっているのもこのシンディーなのである。86年に発売したアルバム「TRUE COLORS」も当然、大ヒットとなり、この年に初来日公演を行っている。

 そして89年にこのアルバム「A NIGHT TO REMEMBER」を発売。たたみかける様にアルバムを発売するアーティストと反対にシンディーはアルバムに関しては非常に慎重であったと聞いている。実際、このアルバムはほぼ完成しかかっていた楽曲をすべてチャラにして、新たに作成したという話は有名である。

 その内容は全編にわたって展開するシンディー風ラブソングが満載。特に私のお気に入りは” My First Night Without You ”と”Unconditional Love ”である。切々と歌い上げるシンディーの澄み切った声がたまらなく素晴しいのだ。そして以外に知られていないがこのアルバムへの参加ミュージシャンも凄い事になっている。ギターに御大、エリック・クラプトン、リック・デリンジャー、ドラムにスティーヴ・フェローニ、ベースにブーツィー・コリンズと玄人好みのアーティストが参加している。しかも、その名前をあまり前面に出していないところがまたシンディーらしいのだ。

 シンディーは親日家としても非常に有名である。ツアー以外でも度々日本に訪れ、観光地を周っているとのこと。また、”ルーズソックス”が大好きだったり、好きな日本語は聞かれれば”テンヤモン”とマニアックな日本語が飛び出すし、以前ライブを見に行った時には、流暢な発音で”オシボリ クダサ〜イ”といっていた。誰が教えるのか不思議だが、最近に日本人でもあまり使わない古い言い回しをよく口にしている。

 90年代に入ると日本への来日回数も増え、ほぼ毎年訪れツアーを行っている。そのシンディーが今年もやって来る。毎回、開催場所は武道館等の大きい場所が多かったが、今回のツアーの東京公演はオーチャードホールでの開催となる。音響が非常に良い会場で聞くシンディーの歌声がどんなに良いか今から楽しみです。シンディーも恩年、57才!マドンナと共にイッちゃってる(失礼)アーティストでいつまでも突き進んで欲しい。とにかくこの1枚を聞け!

バックナンバー
バックナンバー