Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


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この一枚を聞け! [PIPES OF PEACE / PAUL McCARTNEY]



 いまさら紹介するほどではないくらいのヒットアルバムであるがタイミング的には今しかないと思い、今回紹介することになりました。言わずと知れた83年に発表したポールの4作目のソロアルバムです。

 80年に予定されていたウイングスの日本公演は、ポールが大麻を日本国内に持ち込もうとし、あえなく空港で逮捕。予定されていた公演は全てキャンセルされた。私もチケットを入手しており返金するのが名残惜しく、チケットをコピーして返金したのを覚えている。

 そしてその2年後の82年に発表したアルバム「TAG OF WAR」は全世界で大ヒット。プロデューサーにビートルズ時代同様、ジョージ・マーティンを向かえ、ゲストヴォーカリストに迎えたスティーヴィー・ワンダーとデュエットした”EBONY AND IVORY”は一ヶ月以上チャートを独占したほどであった。

 そしてこのアルバムはそのモンスターアルバムの翌年に発売されることになるが、前作同様に「ABBEY ROAD」を製作したプロデューサー陣を採用した。そしてゲスト・ヴォーカリストに迎えられたのが先日他界したあのマイケル・ジャクソンである。「TAG OF WAR」同様、マイケル・ジャクソンも82年にモンスターアルバム「THRILLER」を発売し、正に時の人となっていた。その両巨頭がアルバム内でデュエットすることになり、話題にならないわけがない。

 案の定、そのデュエット曲”SAY SAY SAY”がヒットしたのは言うまでもない。当時、音楽シーンの最先端であったMTVでもエンドレスでプロモーション・ビデオが流れていた。この時代のPVは皆、アーティストが演技をしており、歌うシーンより演技のほうが長い映画仕立ての物も少なくはなかった。このPVも結構長かったような気がする。

 ジョン・レノンの死とウイングスの解散が同時期に訪れ、非常に元気がなかったポールであるが、この作品から自身の活動に更に力を入れていくことになる。

 また、忘れてならないのはこのアルバムの参加ミュージシャンも物凄いメンバーになっている。奥様のリンダはもちろんの事、旧友リンゴ・スター、ウイングスのデニー・レイン、スタンリー・クラーク、スティーヴ・ガットとマイケルの名に隠れてしまいがちであるが、しっかりチェックしておきたい。

 そして2009年9月、全世界のビートルズ・ファンが待ちに待った時がやってくる。CDアルバムがデジタル・リマスター化されていない最後の超大物アーティスト、”THE BEATLES"の全アルバムがリマスターされ発売される。古いサウンドが良いというファンも多いだろうが、澄み切ったサウンドで全ての曲を再度聞き直したい!既にボックスで予約はいれた。あとは金策のみ(笑)その前に、とにかくこの1枚を聞け!!

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