Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


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この一枚を聞け! [THE POWER STATION CD / THE POWER STATION]



 85年に結成されたスーパーバンド、THE POWER STATIONのファースト・アルバムをご紹介しよう。メンバーはヴォーカルにロバート・パーマー、ギターにデュラン・デュランのアンディー・テイラー、ベースに同じくデュラン・デュランのジョン・テイラー、そしてドラムにはシックのトニー・トンプソンと物凄いメンツである。しかもこの時代、デュラン・デュランの人気はとてつもなく、そのメンバーが作ったスーパーバンドとあって話題持ちきりであった。

 しかもプロデューサーにはシックのベーシスト、バーナード・エドワーズを迎えていることからリズムセクションは特に素晴らしい仕上がりとなっている。もともとバンドは単発のユニットして結成されたが、あまりにも上手くいくすぎ、デュラン・デュランの二人ががツアーも行いたいと言い出した!しかし、ロバート・パーマーはアルバムのみの契約ということで強烈に反対し、ツアーは代役をたてて行ったというエピソードもある。

 とにかく聞いてみると解るがリズムはこの時代に流行ったゲートのかかったドラム・サウンドで、トニー・トンプソンだけに非常にタイトで実にカッコイイ!
さらにギターのアンディーは明らかにデュラン・デュランより渋いギターを弾いていて実に玄人好みなのだ。そして最も有名にしたのはT-REXの名曲、”Get It On”を収録したことである。原曲も実にカッコイイのだがパワステ・ヴァージョンも引けをとらない。CHICが好きなファンクな人にも、デュラン・デュランが好きなPOP好きな人にも、THE POWER STATIONは両方のジャンルに受け入れられるバンドともいえよう。当然ではあるが全米でもしっかりチャートに乗っている。

 バンドは当然ながらアルバムのみのユニットであるため、オリジナルメンバーでのライブもこのメンバーでのセカンドアルバムも存在しないのだ。実際には96年にジョン・テイラー抜きで再結成され、日本公演も実現している。このときはプロデューサーのバーナード・エドワーズがベースを弾いた。どうせ再結成をするくらいなら85年にオリジナルメンバーでライブツアーを行っていた方がマシだったと思うが、その辺が契約絡みなのかハッキリしないところでもある。

 更に再結成を望みたいところだが96年にバーナード・エドワーズが、03年にはロバート・パーマーとトニー・トンプソンが相次いで他界してしまっている。バンドの5人の中心人物の中で3人も他界しているのはこのバンドだけ? とにかく80年代の象徴的な音が全て詰まっているといっても過言でないアルバムである。最近ではDVDを1枚加え2枚組みで再リリースされたようである。そちらをゲットするのも良いだろう。とにかくこの1枚を聞け!

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