Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


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この一枚を聞け! [HEAVEN AND HULL / MICK RONSON]



 ミック・ロンソン。あまり聞いたことがないという方もいるでしょう。70年代前半、デビッド・ボウイのサポートバンドでもあった”スパイダーズ・フロム・マース”のギターリストとして有名である。ギタースタイルはまさにロックンロール!ミュージシャンズ・ミュージシャンで数多くのプロ・ギターリストも崇拝しているほど影響力があった。デビッド・ボウイの初期の名作を語るには彼を抜かせないほどの重要人物である。

 ミックは93年4月29日に他界している。とかくオーバー・ドラッグ等で死んでいくアーティストが多い中、彼は肝臓癌でなくなっている。告知を受けたのは他界する2年前だったといわれているが、告知されたあとも精力的に活動を続けていた。そしてこのアルバムがその遺作となったソロアルバムである。

 参加してるアーティストも物凄い。死の直前までレコーディングをしていたということもあって旧友が挙って参加している。まずは御大、デビッド・ボウイ!
あのボブ・ディランの名曲”Like A Rollingstone”を演奏している。このほかにもQUEENのブライアン・メイ、ジョン・ディーコン、ロジャー・テイラー、デフ・レパードのジョー・エリオット、ストーンズのビル・ワイマン、クラッシュのミック・ジョーンズ、ピストルズのグレン・マトリック、スパイダーズ・フロム・マースからはユーライヤ・ヒープにも在籍していたドレバー・ボールダー、そしてもう一人の御大、モット・ザ・フープルのイヤン・ハンターと名前をあげたらきりがないほどである。

 ミックはスパイダーズ・フロム・マースを脱退後、モット・ザ・フープルにも在籍していたことからイヤン・ハンターとは切っても切れない縁がある。そのことからアルバムの最後はそのモットの名曲、”All The Young Dudes”で締めくくられている。その演奏メンバーこそ夢の競演で、リードギターはミック、ヴォーカルにイヤン、ボウイ、ジョー・エリオットの3人でバックはQUEENの3人が固めている。遺作だからこのメンバーと言うことでは片付けていけないほどの夢の競演である。

 彼はこのほかにもソロアルバムを発売している。75年にモット・ザ・フープルを脱退した頃に「Play Don't Worry」をリリース。こちらのジャケットも非常にカッコイイので要チェックです。

 そして自分の命と引き換えに素晴らしい作品を残したミックであるがこのアルバムのタイトルにも考え深いものがある。本来なら”HEAVEN AND HELL"とするだろう。しかし最後は”HULL”である。これは彼の故郷イギリスの街「キングストン・アポン・ハル」のHULLなのである。”故郷と天国”という素晴らしいタイトルではありませせんか!
そしてこの文章を書きながらまたこのCDを聞くとします。とにかくこの1枚を聞け!

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