もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
![]() | テリー・ボジオを初めて知ったのは70年代後半に大先生”ジョン・ウェットン”が 率いるバンド「UK」での参加であった。来日公演で観た時には、やたらとロートタムを セッテイングし、物凄い高度なテクニックだったのは覚えている。前任ドラマーのビル・ ブラッフォードの穴埋めは完璧であった。その「UK」も79年に空中分解、そしてその後 テリー・ボジオが作ったバンドがこの”ミッシング・パーソンズ”である。 当初は「USドラッグス」と名乗っていたらしい。 バンドのメンバーはドラムはボジオ、ギターにウォーレン・ククロロ、ボーカルに ボジオの奥さんでもあるデイル・ボジオでスタート。後にライブメンバーであった ベースのパトリック・オーハンとキーボードのチャック・ワイルドが正式メンバーとなる。 デビュー曲はアルバムはインディーズであったが当時のLA音楽シーンを激震させた程 話題となって、メジャーからの契約が殺到したと言われている。 そして82年にこのアルバムがリリースされることとなる。何よりも話題となったのは ボジオの奥方、デイルの存在であった。髪の毛は七色、衣装がとんでもなく派手で シングル・レコードを体に3枚(どこに付けるかは想像の通り)付けただけという、武田 久美子ばりの衣装であったこと。また、ドラムは超変拍子なのはわかっていたが、ギター のウォーレンもとんでもなく変態フレーズギターで、当時のアメリカのギター誌では よく特集が組まれていた。 楽曲はプログレ色は欠片も無く、徹底したエレクトリック・ポップで、MTVシーンを意識 した曲も含まれる。特に私が気に入っているのが”USドラッグ”と言う曲。流して聞くと そんなに変化のある曲ではないが、各パートを聞いて見るととんでもない事を演奏して いる。まず、ドラムは何処を叩いているのかわからなくなるような変拍子。とにかく私は 変拍子が大好きである。”バッド・ストリート”と言う曲もポリスっぽくてカッコイイ。 しかし、このバンドもセカンドアルバムをリリースした頃からおかしくなり始め、各自 ソロアルバムや他人のアルバムに参加するようになる。そし80年も後半に差し掛かる頃 デイル・ボジオとテリー・ボジオが離婚、バンドもなんとなく活気を失い、87年に解散と なった。デイルはどうなったかは知らないがウォーレン・ククロロは”デュラン・デュラン” に加入し活動、ボジオに至ってはジェフ・ベックとの共演やソロでツアーを廻っている。 しかも最近では「KORN」のアルバムに参加し、ドラムを叩いている。ツアーも参加かと 騒がれたが、ツアーはスリップ・ノットのジョーイを臨時加入させてのツアーらしい。 ボジオが叩く「KORN」というのも観て見たかった気がする。それより「UK」を再結成 させるほが、面白いナ。とにかくこの1枚を聞け! |