Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


目次に戻る

THE FIRST ALBUM / WILD HORSES




77年にシン・リジーを脱退したブライアン・ロバートソンと同じ時期にレインボーを
脱退したベーシスト、ジミー・ベインとで結成された当時ではスーパーグループと言わ
れた、ワイルド・ホーシズのデビューアルバム。(とてもわかり易いタイトル)

 結成の話がシーンをにぎわせたのが77年であったが、ロバートソン自体、レジーを
脱退すると言いながら78年にリジーとツアーに出たりと訳わからん状態になっていたが
80年にようやくリリース。発売当時真っ赤なアナログ盤のジャケットが物凄く趣味悪く
感じたのは私だけであろうか?しかし、ジャケットのロバートソンのレイバンには
当時物凄くあこがれたものだ。

 さてサウンドであるがかなりリジー色が濃い。それは仕方の無い事だが、当時同じ時期
にデビューしたアイアン・メイデンなどと比べると、非常にPOPな仕上がりになっている
ところなど、非常に好感が持てる。しかも、ロバートソンのギターは相変わらずWah全開と
頼もしいソロを随所で弾いてくれていて、ギターリストにはとてもたまらない。
2曲目の”FACE DOWN”は確か当時、シングルカットされていたように覚えている(?)
そのくらいPOPなハードロックといってよいだろう。

 また、ライナーの中に映っている写真ではロバートソンがベースを弾いているフォトが
掲載されている。パートを見てもわかるのだがベースのジミー・べインがギターを弾いて
いる曲もあるようで、変則的なパートをバンド内に組み入れるなど当時のバンドには
あまりなかった事ではないだろうか。
 しかも、もう一人のギターはニール・カーター。後にゲイリー・ムーアのキーボード兼
ギターリストというマルチプレイヤーがこのバンドにはいた。

 しかし、このバンドも良くあるイギリスバンドで、この1年後セカンドアルバム
「STAND YOUR GROUND」を発売後、あっけなく解散してしまう。しかも、セカンドアルバム
製作時には前記のニール・カーターの名前は無い。あまりにもよくあるイギリスバンドの
パターンに、思わず笑ってしまうほどである。そしてロバートソンはこの後、モーターヘッド
へ参加し、ジミー・べインはロニー・ジェイムス・ディオのニュー・バンド、DIOへ加入して
いくのである。シン・リジーの解散ライブ盤「LIFE」の中でのロバートソンのギターも
なかなかのサウンドを出している。あわせてこの1枚を聞け!

                 by JS