この一枚を聞け![ALIVE II / KISS]



 今年は筆者であります私JSが、1970年代に衝撃と影響を受けたライブアルバムを紹介していきます。

 1977年3月、高校生になる直前の私は武道館へと足を運んでいました。アメリカからとてつもないサーカスの様なバンド、KISSの初来日公演を観るためです。席は武道館の北西スタンドで、ほぼ背中しか見えないような席であったのを覚えております。

 前座バンドは、デビューしたてのBOW WOW!その当時からBOW WOWは非常に好きなバンドでもあった為、正に一石二鳥と言ったところでした。BOW WOWの演奏が終わり、少しのインターバルの後に客電が消え、あの有名なMCが始まり、いよいよKISSが登場!1曲目はあの頃、一世を風靡した名曲、“Detroit Rock City”でした。それからは代表曲のオンパレードで、ロック少年の私は一気に虜になった次第でございます(笑)

 この時のセットリストは、当時のコンサート・パンフに全て載っており、予め何の曲を演奏するか解ってしまうのも、何時ものライブと違ったところでありました。後でわかった事ですが、初来日公演はワールド・ツアーの一環ではなく、パッケージ・ツアーであったようです。当時の日本公演あるあるですね。初の日本公演終了後、本国に戻ったバンドはこの年の春に発売したアルバム「LOVE GUN」のツアーへと移って行きます。

 実は今回紹介する「ALIVE II」は1977年のLAフォーラム公演に日本収録した音源をプラスしたライブアルバムなのです! 1曲目は十八番の“Detroit Rock City”から始り、“KING OF THE NIGHT TIME WORLD”、ジーン・シモンズがヴォーカルをとる“Ladies' Room”へとスピード緩めることなく進んでいきます。しかし、実際はこのLOVE GUN TOUR 1977のオープニング曲は、アルバム「LOVE GUN」に収録されている“ I Stole Your Love ”なんです。その証拠に1978年に2度目の来日をした時の武道館公演の1曲目は前記の“ I Stole Your Love ”でした。この時は前年より良い席の2階・南西スタンドの後ろの方で観たのを覚えております。
実際のライブと曲順が違うと言うのは、ライブ盤でのあるあるでもあり、観衆の声援が必要以上に被せてあるのもこの時代のライブアルバムあるあるです(笑)

 そしてもう一つこのアルバムで注目すべき点は、アナログ盤・2枚目のB面に相当する5曲がスタジオ録音という点です。理由は解りませんが前ライブアルバムの「ALIVE」に収録されている曲とダブらないようにする為とか、様々な憶測が流れたもんです。

 また、この時バンド内ではメンバー同士が非常に仲が悪く、その影響なのかリードギターのエース・フレーリーの曲“Rocket Ride”では、ギター以外もエース本人が演奏してるらしく、数人の別ア—ティストがギターをダビングしているという噂があります。面白いですね〜!


それと1970年代後半、日本の音楽誌はどの雑誌も、KISS、AEROSMITH、ANGELを3大バンドとして取り上げていたはずなんですが、最近はKISS、AEROSMITH、QUEENに変わってしまっているのが若干納得のいかない筆者であります(苦笑)

 バンドは遂にラストツアーになる“End of the Road World Tour”を再開させました。2022年には本当の最終公演を迎える日が来てしまうのでしょうか?! アーティストの“ラスト”ほど宛てにならないのも事実ではありますしね。そんなこと思いつつ、このアルバム再度聞くとします。とにかくこの1枚を聞け!!


【こちらももう一度聞け!!】
[LIVE WITHOUT A NET / ANGEL]