この一枚を聞け![CURTIS/LIVE! / CURTIS MAYFIELD]


 今回紹介するアルバムは1971年に発売されたCURTIS MAYFIELDのセカンドアルバム、「CURTIS/LIVE! (邦題:カーティス/ライヴ!)」です。ここの所、ライブアルバムにハマってまして、3か月連続でライブアルバムの紹介です。そして全く違うジャンルなのが笑えます。

 CURTIS MAYFIELDは60年代に人気ソウルグループ、ジ・インプレッションズのヴォーカル&ギターとして活躍し、1970年にソロとして活動することになります。当時は私の大好きなダニー・ハサウェイやマーヴィン・ゲイらと共に“ニュ−・ソウル”というカテゴリーで呼ばれていました。その艶やかな声とオシャレなギターは他のニュー・ソウル・アーティストとは少し変わっていたと思います。

 私がCURTIS MAYFIELDを知ることになるのは、ジェフベックが1985年に発売した「FLASH」というアルバムの中に収録されていた“People Get Ready”という曲からでした。哀愁のギターをジェフが弾き、ヴォーカルはジェフの盟友、ロッド・スチュワートが担当し大ヒットしました。この曲の作者こそがCURTIS MAYFIELDであり、バック・トゥー・ルーツした訳でございます。

 CURTIS MAYFIELDというと1972年に公開された映画「SUPERFLY」のサウンドトラックを手掛け、そのアルバムが一躍、CURTISをスターダムに伸し上げ有名になった作品です。今回紹介しているライブアルバムはそのアルバムが出る1年前の作品で、これから勢いが出るという匂いがするようなアルバムに仕上がっているのです。収録はニューヨーク・グリニッジにある有名なライブハウス“ビターエンド”で行われており、この小屋は数多くのレジェンダリー・アーティストが演奏しています。このアルバムも正にすぐ傍で唄って、ギターを弾いている臨場感がとても伝わってくるライブアルバムになっているのです!

 軽快なMCのあと、1曲目の“Mighty Mighty (Spade and Whitey)”でスタート。本当に傍で唄ってる感が感じ取れます。時折入るギターのカッティングがとても心地よいです。何故かMCのところが毎回“Rap”と称してあり、曲数にカウントされているのが不思議な構成です。アナログ盤では2枚組でしたが、CDでは1枚で構成されており、6曲目にはカーペンターズも歌っている“We’ve Only Just Begun”が演奏され、7曲目には名曲 "People Get Ready"が収録されています。ギターサウンドも実にストレートで心地よいんですね〜!

 アルバムジャケットにも写っていますがCURTISは主ににフェンダーのテレキャスター・シンラインを使っていました。他にもストラトも頻繁に使っていたようです。ギターヒーローではありませんので、派手な使い方ではありませんが、そのサウンドはホント必聴ですね。

 CURTISはミュージシャンズ・ミュージシャンでもあり、多くのレジェンド・アーティストが影響を受けています。クラプトンやジェフベックはもちろん、レニー・クラヴィッツやフィル・コリンズ等、ジャンルを超えて幅広い支持を得ていたアーティストでもあったのです。1994年に「A TRUBUTE TO CURTIS MAYFIELD(邦題:カーティス・メイフィールド・トリビビュート)」というトリビュート・アルバムが発売されています。こちらには前記のアーティストはもちろん、アレサ・フランクリン、エルトン・ジョン、スティービー・ワンダー、ブルース・スプリングスティーンといった大御所も数多く参加しています。このアルバムも是非聞いてみてください。

 しかしながらCURTISは1990年、コンサート中の事故で半身不随になり、その上持病で片足を切断し、1999年に57歳という若さでこの世を去ってしまうのです。なにかやるせない気持ちになりますが、音楽だけは残り続けるのがアーティストの素晴らしいところでもありますよね。とにかく今一度噛みしめながら、このアルバム聞くとします。とにかくこの1枚を聞け!!