この一枚を聞け！ [SECOND HELPING / LYNYRD SKYNYRD]
SECOND HELPING / LYNYRD SKYNYRD
今回紹介するアルバムはサザンロックの中心的バンド、LYNYRD SKYNYRDが1974年に発売したセカンドアルバム、「SECOND HELPING（邦題：セカンド・ヘルピング）」です。
LYNYRD SKYNYRDは1973年にアメリカの重鎮、アル・クーパーに見出されデビューします。バンドの音楽スタイルはこの時代アメリカでブームとなっていたブルースを母体としたロックでした。しかも南部の泥臭さを前面に出した強烈にコテコテのスタイルであります（笑）
なにより、バンドのイメージフラッグには南軍旗を使うなど、非常に南部に固執したスタイルともいえます。そのおかげなのかアメリカ南部では絶大な人気を誇っていました。中心人物であるヴォーカルのロニー・ヴァン・ザントはトレードマークである帽子に、なぜか少し長めのストレート・マイクスタンドを持ち、ギターリストは3人もおり、加えてキーボードまでいる大所帯のバンドなのであります。
ファーストアルバムを前年に発売していますが、セカンドアルバムであるこの「SECOND HELPING」よりは好成績でありませんでした。しかし、コンサートの終盤で必ず演奏していた“Free Bird”はこのアルバムに収録されていますので、こちらも是非聞いていただきたいと思います。
さて、この「SECOND HELPING」ですが、その後のライブでは欠かせない曲が2曲収録されています。1曲目はオープニングを飾る“Sweet Home Alabama”！ ロック史上に残るオープニングリフで、70年代のロックキッズなら誰でも弾いたフレーズと言えるでしょう。意外に知られていないのが、この曲はニール・ヤングの名曲、“Southern Man”のアンサーソングだという事。その証拠に曲中に“Mr Young”という言葉が入ってきます。そしてもう1曲が“Workin’ for MCA”です。このアルバム発表後はライブでのオープニングに使われていたことの多い曲となります。実にノリのいいサザンロックに仕上がっています。
また、アルバムのライナーノーツにも面白い点があります。メンバーのクレジット欄ですがロニー・ヴァン・ザントは「ヴォーカル」と記載されていますが、ギタリストのゲイリー・ロッシントンは「ギブソン・レスポール」、アレン・コリンズは「ギブソン・ファイヤーバード」、エド・キングは「フェンダー・ストラトキャスター」、ベースのレオン・ウィルクソンにおいては「ファイヤーバード・ベース」となっています。なぜ、“サンダーバード”と書かなかったは定かではありません（笑）
当然ではありますが、重鎮アル・クーパーもピアノやアコギでゲスト参加しているところも聞き所であるし、全てのギターサウンドが限りなく良質なサウンドで録音されているところも、かなり聞きどころの一つであると私は思います！
そして1977年当時、高校生になる少し前に中野サンプラザに彼らを観に行ったのが懐かしい思い出です。曲など3曲くらいしか知らないのに、やたらとグルーヴしていたのを今でも覚えております。しかしその数か月後に彼らの乗った飛行機が墜落し、ロニーを含むメンバー数人が死亡してしまうなど誰が思ったでしょうか！ 当時でもそのあっけなさに本当にショックだったのも覚えております。それどころかバンドはこの時点で解散してしまうのです。
最近、アーティストの訃報が本当に多くなっています。先日もとても好きだったハードロックバンド、Y&T の初代リズム・ギタリスト、ジョーイ・アルヴィスがこの世を去りました。悲しい出来事が続きますが、音楽だけはずっと残り続けます。今宵もこのアルバムを聴き、一杯やるとします。とにかくこの1枚を聞け!!
■こちらの記事も必読です！
→楽器考察シリーズ第六弾 レスポールを堪能するサザン・ロック・アルバム特集