この一枚を聞け! [THE HOOPLE / MOTT THE HOOPLE]

THE HOOPLE / MOTT THE HOOPLE
THE HOOPLE / MOTT THE HOOPLE

 今回紹介するアルバムはイアン・ハンター率いるMOTT THE HOOPLEが1974年に発売した、このバンド名義でのラストアルバム「THE HOOPLE(邦題:ロックンロール黄金時代)」です。

 MOTT THE HOOPLEのデビューは1969年、フラワームーブメント真っ只中の時代に結構過激なライブバンドとして活動を続けていました。ライブバンドとしては母国イギリスで好評価を受けていましたが、アルバムの売れ行きは全くもって低迷を続けていたのです。

 バンドのスポークスマンであるヴォーカルのイアン・ハンターは、1972年に一度バンドの解散を決意しますが、その危機を救ったのは以前よりMOTT THE HOOPLEのファンであった貴公子DAVID BOWIEでした。BOWIEは曲の提供とプロデュースを申し出て、自身の曲“ All The Young Dudes”を差し出すのです。そしてこの曲が含まれている同タイトルアルバムは大ヒットとなるのです! うわさでは当初はBOWIEの名曲“Suffragette City”を提供したが、バンド側から拒否されたと言います。物凄い度胸です(笑)

 DAVID BOWIEの救いからバンドは立ち直り1973年にアルバム「MOTT(邦題:革命)」を発売し、全英での最高位を手にすることとなります。そしてこのバンドのオリジナル・ギタリストは後にBAD COMPANYのギタリストとなるミック・ラルフスなのです。意外にクローズアップされていないのが実に残念。ラルフスは1973年にMOTT THE HOOPLEを脱退しているので、当然ですがこの紹介するアルバムには参加していません。しかし、イアン・ハンターが居れば、ほぼMOTT THE HOOPLEだと言っても過言ではないのです。

 今回紹介するアルバム「THE HOOPLE」は前作「MOTT」と合わせての2部作と言われています。その証拠に並べるとバンド名になるというわかりやすい展開で、グラムロック全盛の時代に生まれたバンドらしく、ロックンロールにピアノとサックスがうまく絡んだ曲構成になっているのが特徴的です。1曲目の“The Golden Age of Rock’n’Roll”からラストの“Roll Away The Stone”まで気の抜けないロックンロールが続くのです。ライブではいろいろとブッ壊したりと激しい展開を見せますが、スタジオ盤を聞く限りではいたってグラマラスなロックンロールであることも面白いですね!

 この時代のアルバムを紹介する際に“面白い邦題”のことをよく触れますが、MOTT THE HOOPLEはかなりブッ飛んでおります(笑)。1曲目の“The Golden Age of Rock’n’Roll”は“ロックンロール黄金時代”、“Alice”は“あばずれアリス”、“Born Late '58”に至っては“あの娘はイカしたキャデラック”ですから! 全部紹介したいですが我慢させていただきます。

 また、このアルバムでピアノを弾いているモーガン・フィッシャーも注目点の一つです。70年代初期にMOTT THE HOOPLEがQUEENの前座でツアーを回った時からQUEENとの親交も深く、1982年のQUEENのツアーではサポートでキーボードを弾いています。90年代からは日本に在住し、数多くの日本アーティストのレコ—ディングにも参加しているのです! 更に執筆中にベースプレイヤーであったピート・オヴァレンド・ワッツの他界のニュースが・・・! ここの所、アーティストが次々と逝ってしまう現実を受け止めきれません。

 先日、デヴィッド・ボウイ大回顧展「DAVID BOWIE is」に行ってきました。このようなイベントの中でも群を抜いた素晴らしいイベントでした。会場に流れていた映像でBOWIEが唄う“All The Young Dudes”が実に悲しげで、実に素晴らしかったのがとても印象的です。やはりこの時代のROCKには何か言葉では言い表せない魂が感じられますね。

 とにかくこの1枚を聞け!!