Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.150

スターキー星の「月刊 GUITAR TALKING」第30回

Fender USA American Elite Stratocaster Maple Fingerboard Olympic Pearl



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 みなさん、こんにちは。スターキー星です!

 NAMM SHOW 2016にて発表された新製品フェンダーUSAアメリカンエリート・ストラトキャスターのご紹介をしましょう。「エリート・シリーズ」というと、1983年のNAMM SHOWで発表されたギターを思い起こす方も多いかもしれません。ちょうどFender社が新体制に移行する時期にあたり、12dbのMDXミッドブースターや、TBXトーンを搭載しており、エリック・クラプトンモデル開発のプロローグとなった「エリート・ストラトキャスター」。12インチRのフラットな指板で、2ボリューム2トーン配線という、ギブソンユーザーをもターゲットに据えて製作された「エリート・テレキャスター」などです。ただ、今回発表となった「アメリカンエリート・シリーズ」は以前のそれとは全く別物で、残念ながら生産完了となってしまった「アメリカンデラックス・シリーズ」の後継機種という位置付けにあたります。

 「アメデラ」というと1998年のリリース以来ロングセラーを記録してきたモデルで、伝統的なフェンダーのフォルムを受け継ぎながらも、現代のプレイヤーに求められている高いプレイアビリティとサウンドバラエティーを実現したことで不動の人気を博しております。今回のアップデートでは、その名前の通り、従来以上に「選び抜かれた」「上流の」モデルにリファインされたと考えていただければ良いと思います。

 今年のNAMMで発表された一連のモデルは、American Elite Stratocaster、American Elite Stratocaster HSS Shawbucker、American Elite Stratocaster Left-Hand、American Elite Telecaster、American Elite Telecaster Thinline、American Elite Dimension Bass、American Elite Precision Bass、American Elite Jazz Bass。いずれのモデルも「New 4th Generation Noiseless Pickups」と名付けられた第四世代のノイズレスピックアップを搭載しており、従来よりも更にピュアでコンテンポラリーなサウンドをアウトプットしてくれます。

 「実際のところ何が変わったの?」というところですが、ストラトキャスターの場合、まずは何よりもボディの形状が全く異なります。ボディバックやエルボー部分のコンター形状も見直されていますし、エッジ部分の仕上げが改良されており、並べてみるとまるで別物。決して以前のものが悪かったわけではないのですが、長時間のハードなパフォーマンスでもストレスフリーな、ネクストレヴェルのフィット感が実現されております。

 ローアクションなセットアップに適しているコンパウンド・ラジアス指板(9.5インチRから14インチR)は、ハイポジションに向かうに従って指板のRが徐々に緩やかになるAmerican Deluxeの仕様を踏襲していますが、更にネックシェイプがアップデート。従来はモダンCシェイプのネックグリップだったのが、CシェイプからDシェイプに切り替わるハイブリッドな形状に変更され、ヒールレスカットの仕上げも大きく変更されています。このあたりのプレイアビリティは是非ともご確認いただきたいポイントです。

 ボリュームノブ上にあるS-1スイッチによって、ピックアップのシリーズ接続(擬似ハムバッカー)や全ピックアップの同時出力などもできるようになっており、シンプルなパッシブ回路でありながら、とことんオールマイティなサウンドバリエーションが楽しめます。また、細かいところではありますが、ロッキングチューナーがショートポストになり、ナットに適正なテンションがかかるよう調整され、以前よりチューニングの安定性が向上しています。ホイールナットでトラスロッドがアジャストできるようになったのも嬉しいところだと思いますし、コントロールノブは以前よりソフトなタッチで操作できるようになっており、滑り止めもついております。

 今回ご覧いただきました新製品のアメリカンエリート・シリーズ。エントリークラスの方から中級者、プロユースにも十分おすすめできるNEWモデルの華々しいデビューとなりました。ベースに関しては、まだ詳細情報が入ってきていないのですが、P-BASSがドットマーカーでPJピックアップ、J-BASSがブロックマーカーという仕様はアメリカン・デラックスのときと同様ですね。テレキャスターシンラインでは新開発のサスペンションブリッジにより、サスティーンや、鳴りそのものを向上させているとのことですので実物を拝めるのが楽しみです。

 イシバシ楽器各店に少数ではありますが、初回生産分が入荷しておりますので、渋谷店をはじめ、お近くの店舗までお気軽に在庫状況をお問い合わせいただければと思います。

 さぁ、ギターヘブンの扉をノッキンオン!!



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<お問い合わせ>


石橋楽器 渋谷店
TEL 03-3770-1484
shibuya@ishibashi.co.jp

<スターキー星:プロフィール>
 プロフェッサー岸本の愛弟子であるデューク工藤に師事、池袋店〜御茶ノ水本店を経て、現在は渋谷店にてサブマネージャー(副店長)を務めている。日本国内最高レベルのノウハウを持ったスタッフとしてフェンダーのプロダクトスペシャリストに認定されている他、ギブソン・ファクトリーも定期的に訪問して選定買付け等を行っている。彼自身のフェイバリットミュージックはブルースやブルースロックが中心で主に60〜70年代ロックを愛聴。
 皆様がますます充実したミュージックライフを送れるよう、アップトゥデイトな情報のご案内、そして一生愛用できるギター捜しを親切丁寧にお手伝いたします。