Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.128

この一枚を聞け! [ PHOENIX / GRAND FUNK ]



 
 今回ご紹介するアルバムはGRAND FUNK RAILROADが1972年に発売した6枚目のアルバム「PHOEINX」です。邦題は”不死鳥”で、そのまんまのタイトルが付けられています。

 今までたくさんのバンドを紹介してきましたが、最近意外に有名なバンドを紹介していなかったことに気が付きました。遅いですよね(笑)別にマニアックにするつもりではなかったのですが、先日購読者様から”レジェンドなバンドも紹介して欲しい”とリクエストいただきましたので、今後は少しずつですが誰でも知っているバンドにも手を付けて行くとします。

 そこで「これは」と言うバンドで思いついたのが、このGRAND FUNK RAILROADです。オリジナルメンバーはギターにマーク・ファーナー、ベースにメル・サッチャー、ドラムにドン・ブリューワーという3人で1969年にデビューします。ロック史上有名になった話の一つとして、LED ZEPPELINを食ったバンドとも言われています。ZEPPのアメリカン・ツアーに前座バンドとして同行した際、GRAND FUNKの方がウケたという伝説であります。それくらいセンセーショナルなデビューであったのです。

 ファーストアルバムの「ON TIME」にはZEEPと同名異曲の”Heartbreaker”が収録されているのも注目された点で、日本でも当時、ザ・タイガースなどがライブで演奏していました。1971年には初来日を果たし豪雨の中、後楽園球場(現東京ドーム)で行われたライブも伝説化されています。当時の話によると山手線区域内で音が聞こえたというくらいの大音量であったそうです。実際に聞いたわけではないのでホントかは解りませんが・・・(笑)

 冒頭にもお話ししましたがこのアルバムは72年発売で6枚目のアルバムです。このコラムで良く話すのですが、このバンドも短期間でアルバムを出し続けています。69年〜72年のたった3年間に6枚のアルバムって、年2枚ペースで発売した上にツアーにまわるなんて、当時のアーティストは体の構造がどうなっているのか知りたいほどタフなのです。

 結成当時より3名で活動を続けていましたが、数作前よりゲストキーボードのクレイグ・フロストが参加するようになりました。そして、このアルバムから正式にGRAND FUNK RAILROADのキーボトとして迎い入れられ、4人組となります。サウンド的にも今作からキーボードが目立つようになり、1曲目の”Flight of the Phoenix”などはオルガンが前面に出た、軽快なインストルメンタルなんです。これがまたカッコいい!

 私がこのアルバムで一番好きな曲はアルバムラストに収録されている”Rock & Roll Soul”です。マークの甘い声に対し、サビで歌うドンのソウルフルな声がたまらなくカッコイイのです。この曲は3年後に発売されるライブアルバム、「CAUGHT IN THE ACT」にも収録されていますが、こっちもサイコ〜にカッコいいので、ぜひ聞いてみてくだされ。

 このバンドはバンド名でもよく解らない事があります。デビュー当時はGRAND FUNK RAILROADでこのアルバムから1974年ころまではGRAND FUNK 表記になり、そしてその後またGRAND FUNK RAILROADになりました。そして、ギターのマーク・ファーナーとほかのメンバーとの不仲で、一時期はMARK FAMER 'S GRAND FUNKとGRAND FUNK RAILROADがあったほど。ウイシュボーン・アッシュなども同じ運命をたどっていますが、この辺もこの当時のバンドあるあるなんですよね(苦笑)

 当然ながら現在でもGRAND FUNK RAILROADは存在しています。ギターに元KISSのブリース・キューリックを迎い入れ、ライブ活動を行っているそうですが、ドン・ブリューワーは確か60歳半ばになっていると思うのです。ハードロックし続けるオッサンってカッコいいですよね!とにかくこの1枚を聞け!!
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