Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.100

1484.TV タッキーの楽器流行通信 第8回

謎のナビゲーター・タッキーが、話題の楽器、注目の新製品など、毎月プレイヤーのゲストを交えてご紹介します。

Crews Maniac Sound QUADRIVE/SPREADER



→イシバシ楽器全店の「Crews Maniac Sound QUADRIVE」はこちら!

→イシバシ楽器全店の「Crews Maniac Sound SPREADER」はこちら!

Crews Maniac Sound


多くのプロ・ミュージシャンを顧客に持ち、楽器通を唸らせるような高品質な機材を作り続けているクルーズ・マニアック・サウンド。1983年に創業し、来年で29年目を迎える同社がエフェクターを手掛けるようになったのが20年ほど前から。昨年発売してベストセラーになったハイゲイン・オーヴァードライブの[G.O.D]などは記憶に新しいところであろう。そうした中で今回紹介するのが2011年の新モデル2機種である。まず[QUADRIVE]は[G.O.D]の後継機種にあたる歪みペダルで、12月に限定発売される[SPREADER]はアナログ・コーラス・ユニットとなっている。今回はクルーズのペダルの設計を担当している村田善行氏を迎え、ギタリストのミサワマサヒロの試奏で、今注目のふたつのペダルを紹介しよう!



QUADRIVE
QUADRIVE
overdrive + booster

ベスト・セラーとなったハイゲイン・オーヴァードライブの[G.O.D]に続く、クルーズ・マニアック・サウンドの新作歪みペダル。[QUADRIVE]というネーミングは、[5523]オペアンプを4つ使用していることが由来となっており、1)インプット・インピーダンス・セクション、2)ドライブ・セクション、3)EQ/アウトプット・セクション、4)アウトプット・インピーダンス・セクションという4箇所に、それぞれ1個のオペアンプを割り当てるという贅沢な作りとなっている。[G.O.Dで好評を博した[コンツァー]は本機でも引き継がれ、新たに[IMPアジャスト]というコントロールも加わった。この新ツマミだが出力インピーダンスを変化させる役割を司り、LOW側に回し切ると100Ω、HIGH側に回し切ると100KΩになるという。[IMPアジャスト]をハイ・インピーダンス寄りのセッティングにすることで、“ギターをアンプに直結したような”サウンドを得ることが可能となっている。またアウトプット・ボリューム後の最終セクションにブースターが仕込まれているため、ソロ演奏時に音量を上げる、あるいはあまり歪まないセッティングにしておいて、ブーストをオンにすることで、クリーン・ブースターとしても使用することが可能だ。
【Specifications】
●コントロール:ゲイン、コンツァー、インピーダンス・アジャスト、アウトプット、3バンドEQ(ベース、ミドル、トレブル)、ブースト・レヴェル ●スイッチ:ドライブ・オン/オフ、ブースト・オン/オフ ●入出力端子:インプット、アウトプット ●電源:9-15VDCアダプター(付属) ●外形寸法:140mm(W)×67mm(H)×136mm(D)


SPREADER
SPREADER
dual mode / analogue / monoral / chorus pedal

プロ御用達のエフェクト・ペダルを数々作り出してきたクルーズ・マニアック・サウンドが満を持して送り込んできた新製品がスプレッダー・アナログ・コーラスである。その心臓部を司るパーツだが、現在生産完了となってしまった松下製のBBD素子[MN3007]を使用。今や入手困難なパーツを使っているがゆえに、本機も限定200台のみの生産となっている。スプレッダーの最大の特徴は、2台分のコーラスを1台にまとめ、それらふたつをフット・スイッチにより切り替え可能なデュアル仕様となっていることであろう。片側をピッチ・モジュレーション風にし、他方を揺れの深いコーラスにするといったセッティングも可能だ。また全体の音色と音量を決める、マスター・ヴォリュームとマスター・トーンが備わっているところも、音作りをする上で便利。エフェクトのオン/オフ・スイッチは、アクティブ/トゥルー・バイパスの切り替えも可能と、細かいところまで目が行き届いた作りは「さすが」と言わせるものがある。
【Specifications】
●コントロール:[MOD A](スピード、デプス)、[MOD B](スピード、デプス)、[MASTER](トーン、ヴォリューム) ●スイッチ:エフェクト・オン/オフ、モード・セレクト、バイパス・モード(トゥルー・バイパス/アクティブ) ●入出力端子:イン、アウト ●電源:006P電池/9VDCアダプター ●外形寸法:105mm(W)×67mm(H)×105mm(D)




今回撮影で使用したギター

OST-60 3TS
OST-60 3TS

1960年代初期のスラブ・ボード期のストラトキャスターを土台にしたモデル。指板にはマダガスカル・ローズウッドを使用しており、ピックアップにはハンド・ワイアリングで作られているSAYTONE製をマウント。

[Specifications]
●ネック:メイプル ●指板:マダガスカル・ローズウッド ●ボディ:2ピース・セレクテッド・アルダー ●ピックアップ:SAYTONE ハンド・ワインディング(グロール) ●ハードウェア:ゴトーガット製 ●フィニッシュ:クラウディー・ラッカー

OST-69
OST-69

ラージ・ヘッド、貼りメイプル指板という、ジミヘンの使用でお馴染みの仕様を備えたモデル。SAYTONE製のハンド・ワイアリング・ピックアップの中で、グレー・ボビン期を再現した「スクリーム」を搭載。

[Specifications]
●ネック:メイプル ●指板:メイプル ●ボディ:2ピース・セレクテッド・アルダー ●ピックアップ:SAYTONE ハンド・ワインディング(スクリーム) ●ハードウェア:ゴトーガット製 ●フィニッシュ:クラウディー・ラッカー

Bottom's Up 2009 Alder
Bottom's Up 2009 Alder

抱えやすいディンキー・シェイプのボディ、S-S-HによるPUレイアウト、ロック式のペグ、2点支持のトレモロ・ユニットなど、STモデルの進化系とも言うべき仕様を備えたモデル。

[Specifications]
●ネック:メイプル ●指板:ローズウッド ●ボディ:ライト・ウェイト・アルダー ●ピックアップ:James Tyler JTS5 Hot Laura(フロント&センター)、Shark(リア) ●ペグ:ゴトーガット製 ●ブリッジ:ヒップショット US Contour ●フィニッシュ:ウレタン



タッキー
タッキー・プロフィール
1957年 福島県生まれ。
中学1年で初めてギターを弾き、1弦だけで「禁じられた遊び」を弾いて得意げになる。
中学2年からフォークに染まり始め、初めて購入したギターは¥4,500のピアレスのフォークギター。
「F」コードで挫折し現在に至る。


ミサワマサヒロ
ミサワマサヒロ・プロフィール
音楽学校メーザー・ハウスにて、矢堀孝一氏に師事。ギブソン・ジャズ・ギター・コンテストのバンド部門にて優勝を果たす。その後、レコーディングやライブのサポートなどで活躍し、イシバシ・バンド・コンテストのイメージ・ソングの作曲&演奏も担当。現在は女性ヴォーカルを含めた5人編成のバンド、パスピエ(https://www.myspace.com/passepied)にて活動中。さまざまなデモ演奏でも活躍するギタリスト。