Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.97

スターキー星のフェンダリアン 〜Talking Of Fender〜 第6回

Fender Custom Shop MBS 50s Mahogany Stratocaster NOS Hardtail TV Yellow built by Dale Wilson




 みなさん、こんにちはスターキー星です!

 フェンダーカスタムショップから、いよいよINORAN JAZZMASTERの出荷が開始されました。ブラックボディがたまらない精悍なルックスのジャズマス。既に入荷予定数は予約で完売しておりますので、店頭に並ぶ可能性は少ないですが、キャンセルが出る場合もございますので、ウェイティングリストに登録をご希望される方はぜひお気軽にご相談くださいませ。(カート・コバーン・ジャガー、J・マスキス(マスシス)・ジャズマスターも発表になっていますので要チェック!!)

 さて、今回ご紹介する一本は思わず「ギョッ」としてしまうような変わりダネの一本です。今年からマスタービルダーに昇格したデイル・ウィルソンが製作した1950年代のストラトキャスターをモチーフにした作品。TVイエローと名づけられたそのフィニッシュはギブソンのレスポール・ジュニア/スペシャルを彷彿とさせる遊び心あふれるギターで、カリフォルニア・コロナ工場での選定会に参加して買い付けたストラトです。

 デイル・ウィルソンは現職につく以前は、リッケンバッカーやドブロ、現在はフェンダー傘下となったギルドでも活躍していた輝かしいキャリアを持っています。先日、当店のオリジナルオーダーをミーティングする際に直接話をする機会がありましたが、ブルースロックからハードロック、オルタナ・グランジまで幅広い音楽性を持っているビルダーで、気さくにもパソコンで自作の曲をたくさん聴かせてくれました。カスタムショップに入ってからも多くのマスタービルダーに師事しており、その実力はもちろん折り紙つきです。ヴィンテージギターへの造詣も深く、物凄く大量の資料を所持。あのマメな仕事っぷりには驚かされました…。

 本器のボディには贅沢にも厳選されたワンピースのマホガニーが使用されています。ネックはPRSでおなじみのローズウッド(剛性を向上させるため、ローズウッドネックにローズウッドの指板がラミネイトされています)。ピックガードもローズウッド製となっており、非常に美しいコーディネイトのストラトキャスターです。1956年代からフェンダー社に従事しているピックアップの女王アビゲイル・イバラによるハンドワウンドのFat50’sピックアップがマウントされており、9.5インチRのややフラットな指板とダンロップの6105ナロージャンボフレットをセレクトしておりモダンな演奏性を確保しています。

 トレモロレスのハードテイルといえば、ロン・ウッドやロバート・クレイの印象が強いでしょうか。とても通好みなオプションスペックで、約3,005gと超軽量ながら力強く甘いミドル成分が際立ちます。柾目(クォーターソウン)で木取りされた肉厚なシェイプのネックで、輪郭が整ったトーンは何とも病みつきになってしまう唯一無二のサウンドです。「皆が持っているのと同じようなギターはいまいちかなぁ…」という方には間違いなくイチオシ。こういうドリームギターが作れてしまうのが、ワンオフもののマスタービルト・スペックピースならではですね。

 ちなみに余談ではございますが、最近、Youtubeにフォレスト・ホワイトが1959年当時に撮影したフェンダーファクトリーツアーの動画が公開されて話題を呼んでいます。フェンダー好きなら絶対に見逃せない貴重な資料ですので、お時間あるときにでも一度ご覧ください。

 コレだけおさえておけば、今日から貴方もフェンダリアン!!
 




<お問い合わせ>


石橋楽器 御茶ノ水本店
TEL 03-3233-1484
ochanomizu@ishibashi.co.jp

<スターキー星:プロフィール>
 プロフェッサー岸本の愛弟子であるデューク工藤に師事、御茶ノ水本店にてインポートギターを担当している。特にフェンダー・ギターへの造詣が深く、日本国内最高レベルのノウハウを持ったスタッフとしてプロダクトスペシャリストに認定されている。彼自身のフェイバリットミュージックはブルースやブルースロックが中心で主に60〜70年代ロックを愛聴。
 皆様がますます充実したミュージックライフを送れるよう、一生愛用できるギター捜しを親切丁寧にお手伝いたします。