Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.90

デューク工藤の【ギブソンエレキ座談】第13回

Gibson Custom Shop ES-175 Vintage Sunburst




 1949年に発表されて以来、半世紀以上に渡りポピュラーなジャズギターとしてエレクトリック・アーチトップのスタンダードの座に君臨し続けているES-175。17インチ幅のL-5や、18インチ幅のSuper400と比較するとかなり小ぶりで、取り回しの良い16 1/4インチサイズのフルホロウボディになっております。ジョー・パス、パット・メセニー、ジム・ホール、スティーブ・ハウ…それこそ名前を挙げだすとキリがないですが、実に数多くのギタージャイアントに愛用されてきた名器です。

 ES-175は当時、テッド・マッカーティによりカッタウェイ仕様のエレキで中間層のプライスとして企画されました。ES-175の名前は当時のオリジナルリストがサンバーストフィニッシュで175ドルという事で、エレクトリック・スパニッシュギター175ドルの略で付けられました。

 フローレンタイン・カッタウェイデザインのES-175は19フレット(1950年代中期より20フレット仕様)まで簡単にプレイができるように開発され、多くのプレーヤーに支持されるようになりました。

 スケールはレス・ポールモデルと同じ24 3/4インチで、L-5 、Super400の25 1/2インチスケールに比べ短く、マホガニーネック仕様でレス・ポールから持ち替えたときのネック・フィーリングは近いです。最近ではジェフ・ベックがライブで使用していました。指板はローズウッドでインレイにダブル・パラレログラムを施してあります。(L-5 、Super400はエボニー指板です。)

 1949年当時は、ES-175も他のアーチトップモデル同様、ローズウッドのブリッジで、ドッグイヤー「P-90」ピックアップが搭載されていました。その後1957年頃までにはレスポールモデル同様、ピックアップもセス・ラヴァーの開発したオリジナル・ハムバッキングピックアップである通称「PAF- Patent Applied For(特許出願中)-」を装備したモデルとなります。

 こちらのリイシューモデルはPAFを再現した57クラシックピックアップを搭載しており、そのクリアでレンジ感の広いサウンドが魅力的です。チューン・オー・マチックABRブリッジによる正確なピッチ、デュアル・ピックアップ仕様で幅広いサウンドメイキングが可能。フローレンタイン・カッタウェイ、オール・ラミネイトメイプルボディならでのレスポンスと、バランスの良い明快なトーンはES-175ならではです。長年、愛されつづけてきた由縁が実感させられる仕上がりでしょう。今度こそジャズギターを始めてみませんか。

 やっぱギブソン!

SPECIFICATION

【BODY】
Top Species: Plain Laminated Maple
Back Species: Curly Laminated Maple
Rim Species: Curly Laminated Maple
Binding: Multi-ply Binding on Top / Single-ply on Back
【NECK】
Species: 1-piece Mahogany Neck
Profile: 175 Neck Profile
【FINGERBOARD】
Species: Rosewood
Scale Length: 24.75"
Number of Frets: 20
Nut Width: 1 11/16"
Inlays: Pearl Split Parallelogram Inlays
Fingerboard Binding: Single-Ply Binding
【HARDWARE】
Plating Finish: Mickel
Tailpiece: Trapeze Tailpiece
Bridge: ABR-1
Tuners: Vintage Tulip Tuners
【ELECTRONICS】
Pickups: '57 Classic Humbucking Pickups
Controls: 2 Volume, 2 Tone, 3-way selector switch
【OTHER】
Strings: Brite Wire .010 Strings
Includes Certificate of Authenticity
【CASE】
Case Interior: Custom Shop

<お問い合わせ>


石橋楽器 池袋店
TEL 03-3980-1484
ikebukuro@ishibashi.co.jp




<デューク工藤:プロフィール>
プロフェッサー岸本に師事し、渋谷店での6年間に数々のリジェンダリーを師匠と共に経験。ただいま池袋店に勤務。
彼自身のフェイバリットミュージックは60年代から70年代のロック、ブルースとサウンド面でもヴィンテージサウンドに精通。宝物探しのお手伝いを親切丁寧にいたしますので心より御来店お待ちしております。